創刊当初から愛読している読者です。当時はまさにインターネットメディアが活発化してきていた時期で「なぜ今さら新聞で?」という疑問を持ったのと同時に、サッカー専門の新聞が世の中に出たことが単純に嬉しかったことを覚えています。
「なぜ今さら新聞で?」の答えが本書を読んでようやく解決しました。
面白かったのは我々が150円で買っているものは情報だけではなく、ユーザーエクスペリエンスなのだというところ。エルゴラッソを買いたいと思う衝動や読んだ時のワクワク感、人に伝えたくなるような気持ちはそういうことかと納得。
後半はサッカー好きに限らず、新聞業界の人が読んでも面白いんではなかろか。
新聞は古い、ニュースはネットで十分と思っていたが、実は高度に完成された流通ネットワークを持ったすぐれた媒体であるという。
確かに、前夜刷ったものがその数時間後には店頭に並び、かつ家のポストに届くというシステムは新聞にしかない。
そんなシステムを抱えつつ、各社代わり映えのないデザインや、おやじ目線の見出しで古さやダサさを感じさせてしまうのは何とも勿体無い話。新聞業界は若者の活字離れや新聞離れが甚だしいと嘆く前に、思わず手に取りたいと思わせる新聞を作って欲しいと、そんなことも思った一冊でした。