本書は、どういうスタンスで読むかによってまったく評価がかわってきます。
背表紙・帯・目次を読むと「なるほど、ノウハウが書かれているのだな」と思うはずです。
(amazonの書籍紹介を読んでもそう思うでしょう)
いかにして時間を短縮するのかが書かれているのだろうと。
しかし本書をノウハウ本と呼ぶのはかなり無理があります。
というのは、著者が、そもそも「皆の役に立つ」ということを考えていないからです。
学者で作家たる著者が、著者の生活・性格にとって、役に立つことをまとめています。
ゆえに一般のサラリーマンにそのまま役立てるのは難しいでしょう。
(たとえば、著者は病気にかかることこそ時間のムダだとして、風邪の予防をすすめています。
ではどうするのかというと、人の多いところに可能なかぎり行かない……私たちには難しいですね)
しかし著者の一風変わった考え方を楽しむ、という読み方はおおいにできます。
エッセイとしては十分面白いからです。
林望の本を何冊か読んだことがあり、彼の考え方に興味のある人はぜひ読むといいでしょう。