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「明治」という国家
 
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「明治」という国家 [ハードカバー]

司馬 遼太郎
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明治維新は「革命」であったのか、薩長土肥連合による王政復古クーデターにすぎなかったのか。歴史家の間で意見の分かれるところである。本書で司馬は、幕藩体制の担い手だった武家階級が自らのハラキリによって「廃藩置県」を実現し、「国民国家」の土台を築いたことは、世界にも稀な革命であった、という明快な史観を展開してみせる。これほどの「政治的破壊作業」ができたのは、欧米列強のアジア進出に「日本人が共有していた危機意識のおかげ」だった。明治は「透きとおった、格調の高い精神でささえられたリアリズム」の時代で、そこに出現した「明治国家」は、江戸270年の精神遺産だった。司馬は江戸と明治の2つの時代に、脈々と流れる精神の連続性を見る。その具象として、小栗忠順、勝海舟、福沢諭吉、西郷隆盛、大久保利通ら多彩な群像を、科学者の透徹した目と小説家の豊かなイマジネーションで、鮮やかに浮かび上がらせる。「明治は多くの欠点をもちつつ、偉大としかいいようのない」時代だった。これに対して、戦後までの昭和は「イデオロギーが充満して国家や社会をふりまわした時代」で、まるで別国、別民族の観があると言う。しかし、この「非連続性」をもたらしたものが何であったか。残念ながら、司馬は語っていない。(伊藤延司)

内容(「BOOK」データベースより)

「明治」は、清廉で透きとおった“公”感覚と道徳的緊張、モラルをもっていた。明治国家という人類普遍の遺産を語る、日本論であり、卓越した文明論である。海外取材の成果をもとに、“明治国家”を巨細に捉えなおす!

登録情報

  • ハードカバー: 312ページ
  • 出版社: 日本放送出版協会 (1989/09)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4140086688
  • ISBN-13: 978-4140086681
  • 発売日: 1989/09
  • 商品の寸法: 22 x 16 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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歴史のエピソードは、いろいろとあり、歴史書を読むたびに新たな発見があり、また忘れるが、何かのきっかけでまた再び記憶が呼び戻されることもある。小栗上野介等のエピソードは聞いたことがあるものの、活き活きと描かれている。歴史はいろいろと評価がある。その評価は必ずしも心地よいものばかりではないが、それが結果的に現在につながっている。現代的なところではなく、すでに亡くなった作家が書いた歴史観を現代と照らし合わせて、つながっている部分と外れている部分を紡いで楽しみたい。
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 『21世紀に生きる君たちへ』とは、司馬遼太郎が小学生向けに書いたエッセイの一つである。
 「小学生向け」と銘打ってあるのだが、子供が読んで感じることはもちろんのことだが、それ以上の年齢の人が読んでも気づかされることばかりだ。
 本作『明治という国家』は、小学生よりも上の年齢すべての人に向けられた『21世紀に生きる君たちへ』なのだと思う。

 本作を読んでいて一番気になったのは「国民」という言葉だ。

 作中、特に後半部分にこの言葉が多く登場する。
 明治時代は日本に初めて「国民」が誕生した時代でもあったし、「国民」を誕生させるために多くの人の苦労や血が流れていたことがわかった。
 しかし、現代の日本人はこの偉大な人物たちが思い描いた「国民」になっているのだろうか?流された血に見合うだけの生き方をしているだろうか?

 司馬遼太郎は現代の日本人たちが間違った方向に向かっていることを憂えて書いたのだと思う。
 そして、素晴らしい21世紀を創ってほしい願いから書いたのだろう。
 現代に生きる私たちはメッセージを感じ、今後の人生に活かしていくことが必要なことだと思う。
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この作品は講演録みたいですね。カセットライブラリーも出版されているので、書いた原稿ではないでしょう。

余談が余談を呼び、非常に冗長です。体系的な歴史評論ではない。

ばらばらのエピソードがいっぱい集められている。司馬の街道シリーズのほうが読みやすい。

司馬は歴史学界のトレンドであるシステム運動的歴史観と対立し、ヒーロー中心歴史観で小説を書いてきた人だ。個々の人間の活動を中心に据えることが結果としてヒーロー中心の作品になったらしい。そのため彼の作品に取り上げられている人が津田出をはじめ大久保や西郷、小栗順正など傑出した人々である。悪くは無いけどちょっと不満。それと明治国家の暗部についてかれはまったく沈黙している。彼の歴史評論が正確な歴史書だと勘違いするのは危険だと思う。

小栗順正がなんとか横須賀海軍工廠の施工にこぎつけたとき「これで母屋に土蔵(だか離れだかついた)売り家になった」(だっけかうろ覚えなんですいません)と周囲の部下に言ったというエピソード。こういうのを掘り起こしてくる司馬の情報収集力や着眼点に感心した。

明治を作った江戸時代の多様性というのも知っていたけど改めて認識した。ちなみに日本と並び世界の産業をリードするドイツが、同じように分裂し多様性を持った国だったことを考えると、何かいい人材、文明の基礎にはこんな社会が適しているのか、なんてことに考えがおよんだ。

自己主張が弱く散漫で穴の多い作品なので、「おいおいほんとうかよ」と突っ込みを入れながら自分でいろいろ考えるきっかけになる、悪くない本です。

最後にやはり現代日本の中央集権は打破しなくちゃと思いました。
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