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「日本人論」再考 (講談社学術文庫)
 
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「日本人論」再考 (講談社学術文庫) [文庫]

船曳 建夫
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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「日本人論」再考 (講談社学術文庫) + 「日本文化論」の変容―戦後日本の文化とアイデンティティー (中公文庫)
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商品の説明

内容説明

2000冊を超える「日本人論」を総括する明治以降、近代化の中で、原理的アイデンティティ不安に苛まれた日本人は数多の「論」を紡ぎ出した。時代の空気が生んだ「論」を検証し、日本人の無意識を探る。

内容(「BOOK」データベースより)

明治以降、夥しい数の日本人論が刊行されてきた。『武士道』『菊と刀』『「甘え」の構造』などの本はなぜ書かれ、読まれ、そして好評を博すのか。そこには、私たちを繰り返し襲う「不安」がある。欧米文明に遭遇し、戸惑う近代日本人のアイデンティティの不安の在処を抉り出す。本書は、日本人論の総決算であり、百五十年間の近代日本の物語でもある。

登録情報

  • 文庫: 352ページ
  • 出版社: 講談社 (2010/4/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062919907
  • ISBN-13: 978-4062919906
  • 発売日: 2010/4/12
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
本書は2002年のNHK教育テレビ「人間講座」で放映された同名の番組のテキストがもととなって生まれた本である。放映当時に興味深くこの番組を視聴した自分としては、このよくできたテキストが、放送終了以降、人の目に触れることなく埋もれてしまうことを非常に惜しく思っていただけに、今回こうやってあらためて改訂・増補されて発売となったことに快哉を叫びたい。

『武士道』『風土』『菊と刀』『「甘え」の構造』『「世間」とは何か』などなど、明治以降、数多の日本人論が生まれ、そして消費されていった。その著者ごとのさまざまな視点から「日本」「日本文化」あるいは「日本人」といったものが語られ続けた ― こうした「日本人論」が語られ続けた歴史的状況に対し、文化人類学者である著者は、「では、なぜ「日本人論」というものは語られ続け、生産され続けたのか?」を問う。そこで浮かび上がってくるのは、近代日本という否応なく外国という他者の目に晒されることとなった状況の中で、絶えず「自分とは何者なのか?」との不安にさらされることとなった日本人のアイデンティティの動揺する姿である。この本はこれまで書かれてきた日本人論を通して日本人を語ろうとする、いわば「メタ「日本人論」論」とでも言うべきものだ。

明治以降21世紀の現代に至るまでのおもな日本人論(あの「プロジェクトX」まで!)を概観しつつも、単なる概説書にはとどまらず、著者独自の観点もあちこちに入っており、読みごたえがある。とは言っても、内容は決して晦渋・難解なものではなく、一般読者向けに平明に書かれている。学生・社会人に対してのみならず、大学受験を控えた受験生にもぜひ一読を勧めたい(これを読んでおくと、現代文・小論文の課題文理解でだいぶ助かるだろう)。

少なくとも、この本を読んだ後では「日本人とは…」と安易な言葉は口に出せなくなるだろう。

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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By θ トップ1000レビュアー
形式:単行本
巷にあふれかえっている「日本人論」の背景構造を分析した好著。

なぜこの時期に日本人論が求められたのか、そしてこれはどういう要請によるものなのか、をきちんと考えた本は本書を除いてはそうは存在しない。
「日本人論」は「不安」とともに出現する。それは「失敗における不安」は当然として、成功しているときも「本当に成功で大丈夫なのか」といったある種の不安が伴われる。

特に「日本」の成功は近代化の成功とともにあるがゆえに、近代が本当に正しいものなのか、それは日本にとってどうなのか、という問題は常に残されてきていた。
それは同時に「日本人論」が生まれ続ける要因でもあった。

あと、本書はイメージだけで語られやすい古典をきちんと解説してくれている点もうれしい。
『武士道』『菊と刀』『「いき」の構造』『タテ社会の人間関係』など、名前は知っているが読んだことはない、それでいて何となく中身のイメージはつく、という本が、実はイメージと全然違う内容が書かれている、ということも本書ではしばしば指摘されている。

筆者は最後に、もはや日本人論を必要としない時代への始まりを暗示している。
それが本当かは、今後の「日本人論」の状況を見てのお楽しみである。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
日本人論は、日本人が西洋近代の中で近代化して行くときに、日本と西洋のあいだでアイデンティティが引き裂かれ、その不安定さを理論的に払拭するために書かれたのだ、という著者の主張は鋭い。その不安は、日本人論の著者たちが、西洋に直面したときに個人的に生まれ、それを国民のレベルで説明しようとして日本人論が書かれるのだという。だから、新渡戸稲造でも、司馬遼太郎でも、阿部謹也でも、日本人論を書いている人は何らかのかたちの外国体験、留学とかがあって、その時に何かの発想を得たり、傷を受けているようだ。それからなかなかと思ったのは、日本人論はまた、日本が調子が悪い時には、やっぱり日本はもともと西洋と歴史を共有してないから西洋近代が身に付かないのだ、という不安から書かれるのだが、調子がいいときもまた、日本は西洋からルール違反だと外されるのではないか、とか、日本は西洋でないから成功したのだ、と、時には国粋主義的に、不安の裏返しの傲慢でもって書かれる、という指摘だ。ただ、こうした理論的な点は抽象的に論じられているのではなく、明治以来の日本人論の解説のなかで調べられていくのだがそこがスリリングで面白い。特に「国民」と「臣民」についての箇所が圧巻である。
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