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「教養」とは何か (講談社現代新書)
 
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「教養」とは何か (講談社現代新書) [新書]

阿部 謹也
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

従来の教養観をくつがえす画期的論考。

哲学のすべてを修めた後、靴直しや陶工として働く−西欧中世の知恵のあり方や公共性と「世間」の歴史的洞察から、誰もが身につけうる教養の可能性をさぐる。

内容(「BOOK」データベースより)

哲学のすべてを修めた後、靴直しや陶工として働く―西欧中世の知恵のあり方や公共性と「世間」の歴史的洞察から、誰もが身につけうる教養の可能性をさぐる。

登録情報

  • 新書: 186ページ
  • 出版社: 講談社 (1997/5/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061493582
  • ISBN-13: 978-4061493582
  • 発売日: 1997/5/20
  • 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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28 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 内田裕介 トップ500レビュアー
形式:新書|Amazonが確認した購入
前著「世間とは何か」の続編である。

  世間とは、比較的狭い範囲の人と人とのつながりであり、
  人が生きていくための精神的、物質的生活基盤であり、
  ときに個人の自由や生命に犠牲を強いるような存在である。

これが前著でいう「世間」である。
前著では、個人の自由や尊厳を圧迫する存在として「世間」を取り上げたが
本書では、教養の母体としての世間を取り上げている。

教養人といえば、古今東西の文献に通じている人、というイメージがあるが
それは個人の教養のことをいうに過ぎない。
教養が本来人と人との関係を離れて存在しえないことを考えれば、
教養とは、集団、共同体の中でこそ価値をもつ知識であり、
集団の価値観である。これが「個人の教養」に対する「集団の教養」である。

たとえば農村でいえば、
作物を育てるために季節や天候、肥料などの知識が
長年かけて村に蓄積されるが、
この暗黙知、非言語知が「集団の教養」である。

  生半可な学問は鼻を高くさせるばかりで百害あって一利なし

というある農夫の言葉を取り上げているが、
世間にあっては、個人は世間を離れては存在しえないから、
教養をつんでのち、また世間のなかで暮らしていくほかない。
従って、世間の中に生きる日本人に必要な教養は、
小難しい西洋哲学などではなく、まず、世間の暗黙知なのである。

と、たぶん、こういう論旨だと思う。

自然科学の論文のように三段論法になっているわけではないので、
著者の阿部氏の意図が理解できたかどうかは自信がないが、
自分なりに納得するところはあった。

普通の評論家や作家の書いた文化論とは一線を画す。
万人にお勧めできるほどフレンドリーではないが、
本物の学者が一般向けに、
しかし手抜きをせずに書いたという点がいい。
読み応えは十分にある。
このレビューは参考になりましたか?
45 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:新書
我々は「教養」を、何か小難しい学説であるとか文学である、となぜか思い込んでいる。そしてそうした「教養」崇拝は、実はなまじ本など読まない人よりも、むしろ多く読書をしてしまう人種にこそ顕著な傾向かもしれない。それは煎じ詰めれば単なる知識の蓄積である。特に明治以後「教養」とはすなわち外来、と決め込んでしまい、さらに戦後も単なる知識蓄積の学校システムで育てられてきた我々日本人にはそうである。 著者はその豊富なヨーロッパ中世史の知識から、このような教養の現状をみつめなおそうとする。そもそも西洋中世において教養とは、職業選択の自由を得た都市民が「私はいかに生きるべきか」と問うたことから始まった。それは真剣な生き方の指針の模索としての作業だったのだ。

日本には古来から「世間」というものが存在した。それは今も厳然として存在する。だが我々は一度として学校で「世間でいかに生きるべきか」の知識など教えてもらえなかった。西洋直輸入の民主主義のタテマエだけであった。

阿部氏は、実は日本における教養を、我々の現在における教養を模索しているのである。その試みは本書姉妹編「世間とは何か」から繋がっている。 やたらに本を読んでしまう人は本書を一度読むことをオススメしたい。

このレビューは参考になりましたか?
19 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 倒錯委員長 トップ500レビュアー
形式:新書
個人的にむかつくことがあったので、「阿部さん、教養っていうくだんねぇものは、いったいなんなんすかねぇ!?」という思いで本書をとったのだが、とんだ期待はずれだった。
というのもこの本、「『教養』とは何か」とかこつけた、実は全く別の本なのである。この本にタイトルをつけるとするならば、作者がこの前に書いた本にならって『「世間」とは何か2』でよかったはず。それぐらい、教養自体について述べられている箇所は少ない。それは、教養の論述からそれて別の話題に、といったレベルではない。むしろ逆に、世間を論じたついでに教養について、中盤の方でちょいちょいっと書き足されている、といった具合か。
一瞬マジで、表紙と本体ののり付け作業の段階で、誤ってちがう本の表紙がつけられたのか?、とさえ思った。ここまでのタイトルと内容の乖離に出くわしたのは、『「自己責任」とは何か (講談社現代新書)』という本以来である。

内容面においても粗雑なところがある。ハーバマスなどの公共圏の理論を引用する箇所があるのだが、僕はこんなの初めて見た。ある節が、始めから引用文で始まるのである。これでは、なぜ筆者がその文章を引用したのかもわからない。このように注釈も説明もなくいきなり引用されてしまうと、ハーバマスにすれば、「俺に丸投げかよ!」という話である(たぶん本人は知らないだろうけど)。

だがそういいつつも、教養について知るにはまぁ事足りるといった本ではある。市民社会の成立に従い、個々人が分断された後に、「いかに生きるべきか」という実存的な問いが浮上した。そのときになって、文学などの古典作品の中にその答えを探そうとしたのが、狭義の「教養」主義者、である。しかし、時代が下るとともに、徐々にその意識は形骸化していき、知識を得ること自体が自己目的化していった、というのが現状だと言える。
冒頭に書いた僕のむかつきの原因というのは、そのような形骸化した教養主義と固有名の知識をひけらかす人間と、そのエピゴーネンたちの話を間接的に聞いたことだ。どこの学校、会社にもいると思うが、映画やなにやらについての知識だけは豊富で、そのこと“のみ”においてふんぞり返っているどうしようもないやつらがいる。さらに、そのエピゴーネンの中には、知識すらなくて、知識があるふりをして、のうのうと生きているやつもいる。
そういうやつらには、「いっぺん教養主義の本道に立ち返って自分の生き方考え直した方がいいんじゃない?」と言ってやりたい。

そういう人たちは青D社とか、そういう会社から値段の高〜い、だ〜れも読まないような本を出して悦に浸る。それに比べるとまだ、講談社現代新書のような「多くの読者に向けた本」を書いているだけ、阿部さんのほうが数倍マシである。
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