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「戦地」に生きる人々 (集英社新書)
 
 

「戦地」に生きる人々 (集英社新書) [新書]

日本ビジュアル・ジャーナリスト協会
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

私たちの知らない「世界の現実」がここにある!
チベット(野田雅也)、ビルマ(山本宗補)、マーシャル諸島(森住卓)、ハイチ(佐藤文則)、チェチェン(林克明)、レバノン(豊田直巳)、パレスチナ(古居みずえ)。武力と暴力に支配された土地に生きる、市井の人々の「声」を集め、悲惨な境遇に対して諦めず立ち向かう姿を報告する。

内容(「BOOK」データベースより)

六〇年の人生をパレスチナ難民として生きてきた女性は語る。「大勢の同胞を失った。でも新しい世代も大勢生まれた。私たちはあきらめない」。戦火にさらされ、理不尽な暴力に支配されながらも、人間としての誇りを失わずに生きている人々がいる。本書は、大マスコミが足を踏み入れない世界の「戦地」に単身潜入し、その地に生きる市井の人々の声を届けるべく活動してきた、ジャーナリスト集団の取材報告である。

登録情報

  • 新書: 240ページ
  • 出版社: 集英社 (2010/9/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087205576
  • ISBN-13: 978-4087205572
  • 発売日: 2010/9/17
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By DP
「情報」は背後に隠された文脈や受け手の捉え方と一体になって初めて「訴えかけるもの」となる。画面に映る光の点の並びに過ぎないもの(情報)が人に見られると意味(訴えかけるもの)を持つように。

映像や写真といったビジュアルな「情報」は、「訴えかけるもの」への距離が文字媒体に比べて短いことも多い。そして本書は、ビジュアル・ジャーナリストの手で編まれている。加えて題名が『戦地」に生きる人々』ときたら、それと見てすぐに「訴えかけるもの」が分かるような「センセーショナル」な本なのではないかと考えてしまいそうだ。しかし、実際はそうではない。扱われる写真も違う題名の本に収められていれば、「戦地」に生きる人々の写真だと気がつかないようなものばかりだ。だからといって「訴えかけるもの」が少ないわけではない。被写体の彼らがいかなる歴史的・地理的な背景を持ち、どんなことを考えて生きているのか、そういったことが、彼らの世界に分け入ってその姿を伝えようとする日本人の目線から、文字で描かれる。そうした文章と写真との織り合わせが、深さを湛えた「情報」を持つ一冊を可能にしている。「戦地」のイメージと直結するような悲惨ではなく、そこで生きる人々にこそ光を当てているのだ。

本書は評者には深い印象を残した。せいぜい名前や上っ面の知識くらいしか持っていなかった世界の、リアルな一面を知ることが出来たように思う。そしてまた、知られざる現実の一面を「伝えることの意義」を全うしようとするジャーナリストの姿勢にも深く感銘を受けた。「暴力と武力にさらされた人々の声を日本に届けることを目的として」(p.27)編まれた本書は、少なくとも、本書の「情報」を求めてこの書評に目を留めるような方には一読の価値があるのではないかと思う。

もっとも、評者は類書を読んだ経験がなく、他書との比較の上での評価ではないことにはご留意いただきたい。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ぽるじはど トップ500レビュアー VINE™ メンバー
 国としての体を保っていないソマリアや、メキシコ・チアパス州をはじめとする各地の先住民問題など、アフリカ、中南米にも「戦地」はあり、14名で世界をフォローしろと言うのは無理な話なので、今後メンバーが増えるのを願うばかり。

 チベット
 中国政府による青海チベット鉄道敷設工事による強制立ち退き、チベット高原の鉱物資源や天然ガス発掘、放射能の危険性さえ知らされず、健康被害調査すら行われない核実験などによる宗教や文化の収奪・破壊。
 ヒマラヤ山脈越えの凍死、中国国境警備隊による投獄・射殺の危険を冒しても、年間2千人が亡命し、辿り着くインド北西部ダラムサラに、難民8千人が暮らす。
 そんな危険を冒して国境越えをした難民も又、インド国籍が得られない為、大学を卒業しても正規雇用の仕事に就けず、指定された難民居住区以外に住むこともできない。
 59年の蜂起以来、抵抗運動は続き、ようやく08年に、世界に連鎖したが、今も漢民族流入による中国化は更に勢いを増す。

 ビルマ
 軍事政権に抵抗するカレン族などや、民族運動をする民衆を迫害。
 10年の選挙でも、買収や開票不正が行われ、軍事政権が8割を獲得、過去21年間で通算16年近く軟禁されていたアウンサンスーチーさんは、解放によって欧米を中心とする国際社会からの批判をかわす狙いから、7年半ぶりに開放されたが、彼女に対する国民の人気は高く、軍政の計算通り、民主化勢力を今後も押さえ込むことができるかどうかは不明。
 そんなビルマ国軍は、旧日本軍によって土台を作られたのだが、その後始末としての難民問題に対し、他国と比べ、極端に受け入れ制限をする日本の姿。

 マーシャル諸島
 米による核実験汚染後の、居住による被曝影響被害調査(広島・長崎に47年設けられたABCC(原爆障害調査委員会)と同じ)が行われ、今も後遺障害に苦しむが放置され続けている。

 ハイチ
 世界最貧国の一つとされる国の貧困、地震の被害状況。

 チェチェン
 独立戦争・ロシア占領軍・治安機関からの追求をかいくぐり、国内状況を伝え続ける女性ジャーナリスト達を通じて、戦争や傀儡政権に逮捕・連行されたままの行方不明者について。
 旧ソ連崩壊後の91年、チェチェン共和国はロシアから分離独立を宣言するも、ロシアはこれを認めず、94年から2度にわたりチェチェンに侵攻する。
 ロシアの人権団体のデータでさえ、ロシアの侵略によって94年から20万人以上、チェチェンの人権団体や政府の数字では25万人以上の市民が犠牲となっていて、行方不明者の数は、公式に確認されていたものだけで5800人もいた。
  また94〜96年に起こった第一次チェチェン戦争の後、1500人以上の遺体の遺棄現場が見つかっている。
 今も駐留ロシア軍が約10万人もいて、撤退がなかなか進まず、一般市民は命の危険にさらされ、占領による被害は続いている。
 

 レバノン
 イスラエル軍に攻撃占領される南レバノンの村々。
 シリア南西部に位置するゴラン高原は、ヨルダン川流域を見渡せ、水源確保の意味からも軍事戦略上の要地となっており、67年の第三次中東戦争でイスラエルがこの高原を占領し、73年の第四次中東戦争でシリアが一時的に奪還したが、その後すぐにイスラエルに再占領された。
 その境界が谷となっており、引き離された家族どうしが、ハンドマイクを手にあらんかぎりの大声で呼んで、相互に安否を確かめあうことから叫びの谷と呼ばれている。
 レバノンに駐留するUNIFIL(国連レバノン暫定軍)、ゴラン高原に展開するUNDOF(国連兵力引き渡し軍)も、占領問題解決には役立たぬどころか、占領という不正義を許す存在となっている。

 パレスチナ・ガザ地区
 物資や水道・電気・ガスなどエネルギーも封鎖された刑務所状態のガザ地区。
 UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)による、3ヶ月おきの死なないで済む程度の食糧配給で生き延びる。

 以上7ヵ所からの報告。
 レバノンの章で、文中「シェバ農場の占領が続く限り、自分たちが武装することに正当性があり、抵抗する権利がある。」との言葉が出てくるが、それを非暴力で対抗すべしと、私はとても言えない。
 政府による死の危険のない日本で、どのように本書のように苦しむ人々とつながればいいのだろうか・・・
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