松下電器産業の技術者であった著者は、学ぶべきものもあったが不満も多かったと松下時代を振り返る。そうした日々にあって、あるプロジェクトで仕事を共にした米国IBMのスタッフたちから、強烈なカルチャーショックを受けたと言う。米国流の価値観やマネジメントに触発された著者は、「MBA(経営学修士)留学」を渇望するようになる。猛勉強を始め、ついには社内制度を使って米ハーバード大学への入学を果たすが、帰国後に松下を去る。その後、外資系経営コンサルティング会社を経て、コンピューター業界でキャリアを積んでいく。
その間に味わった無力感や挫折感を、著者は隠すことなく述べていく。それらの幾つかは、トップに立つ者にふさわしい武勇伝とはほど遠く、むしろ不平不満や弱音に近い。しかし、それらはビジネスパーソンであれば誰もがぶつかる現実の問題である。数々の壁を意志と努力で乗り越えた著者の体験談は、どのような職に就く者にとっても参考になるだろう。
(日経ビジネス 2005/04/11 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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