幸せになる心の持ち方について書かれた本は数多くある。しかし、進むべき方向や心の持ちようは示されても具体性に欠ける本や、方法について非常に具体的に書かれているが根拠についての記述が不足しているために、説得力の弱い本もある。どちらも読んだ直後は「そうか、なるほど。」という気分にはなるが、実生活に生かさずじまいになってしまうことが多い。
精神科医である著者は、日頃たくさんの事例と向き合い、患者に対して解決の方法を常に具体的に提示する必要があるからなのだろうか。本書は、最近のスポーツ選手などの具体例も多く盛り込みながら、9つの方向から、自分の気持ちとのつきあい方、そして人とのつきあい方を論理的に述べている点が、前述の二つのタイプの本とは違う。
9つのうちまずは1つからなら今日から始められそうだし、それだけでもずいぶん生活が変わるかもと思わせるだけの説得力がある。そして、9つ全部習慣にできたら…と思うだけで、人生は運命ではなく自分が決めるものだと信じられる気がする。