他のレビュアーの指摘にもあるが、やはり斎藤氏ばかりが語っている印象がちょっとある。
「恋愛」格差というテーマをブチ上げ、「負け犬」「おたく」「ヤンキー」「腐女子」とラディカルにテーマを絞っているのを見た時、間違いなく面白いだろうと思って読んでみたのに何だかピントがずれている感が強いのは正直、酒井氏におたくやら腐女子やらに対する興味が全然ないからだろう。
一方、斎藤氏もある意味で女性を持ち上げるのに忙しくて、本質を突き損ねている感もあると思う。酒井氏が「(負け犬たちも)「結婚しないと食べていけない」という危機感とともに、非婚化のペースが緩む可能性もあると思っています。」とかなりあけすけなことを言っているのに、女性にとって痛い話には持っていくことを恐れてか、酒井氏をおだてるばかりで話を拡げられなかったり。
そういう意味では男と女の、おたくと負け犬の異文化交流失敗の例、異文化交流の難しさの例としては貴重な本とも言えるのだけれど、そのわりに「性愛は希望」みたいな結論を取ってつけてしまうのも危機感がなさ過ぎじゃ、という気もする。
斎藤氏のことは嫌いではないのでこういう言い方はしたくないのだけど、そろそろ「オッチャンのお話をオンナノコがうんうん聞いている」対談を読むのは、正直飽きてきた。