「怒り」とは何か? 怒りを制御できずに、攻撃的な行動に
出てしまうようだと、精神的な病気だとされてしまいます。
フロイトは、怒りを人間の本能から発せられるものだととらえ、
コントロールするには、自我を強くすることだと考えました。
無意識下のものを意識することで、治療しようとしました。
メラニー・クラインは、良い自己と悪い自己が常に存在するのではなく、
発達の過程で統合されるものだと考えました。ボーダーラインといわれる
患者について、心理発達の過程で分裂したままになっているからだと
考えたのです。
さらに1970年代には、精神分析学者コフートが、怒りは、本能のものではなく、
「自己愛」が傷つけられたときに生まれるのだと説き、それが現代アメリカの
基本的な考え方になっているそうです。
こうした精神分析、心理学の話をもっとして欲しかったのですが、
後半は、「怒り」をキーワードにした雑談に突入してしまいます。
拉致問題やパレスチナ等の政治、上司と部下、家族関係について
雑然とした著者の意見が述べられ、正しい怒りで、世の中を変えていこう、
とまとめるのです。もう少し、ポイントを絞り、深い分析を
表に出し、きっちりと説明して欲しいと思いました。残念。