「自分はいつも運が悪い」などの質問にYes、Noで答えていく性格テストの定番が「YG検査」だ。採用試験に臨む学生の中には費用を払ってまで事前対策指導を受けている者がいるという。しかし著者の下した結論は「有害無益」。同じく就職試験によく用いられる「内田クレペリン検査」も「世の中に害毒を流しているだけ」と斬り捨てる。日本人が大好きな「血液型人間学」や臨床心理士が用いる「ロールシャッハ・テスト」も事実無根だと論じる。
(日経ビジネス 2005/06/13 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
登録情報
|
その意味では心理テストとは、かくもいい加減なものかを知るためには良い本であると思う。とくにカウンセラー志望の心理学系の大学生レベルの読者が読めば良いと思う。
ただし後半は息切れして失速気味だし、現在流行中のビッグファイブについて無批判に受け入れているところが著者の限界だろう。135ページで著者自身が開発したMINIと呼ばれる心理テストをさりげなく宣伝しているところも鼻につく。せめてMINIは他の心理テストと比べて優れている証拠を示すべきだったと思う。
統計学の解釈の仕方にも誤りがある。
結論としては「心理テストはウソでした」という文は正しい。しかし著者自身がウソをついている。「ウソをついている」は言い過ぎかも知れないが、意図的に論旨をねじ曲げている。
そして、そのことに著者は気づいていないらしい。
|
|
|