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「心」が支配される日
 
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「心」が支配される日 [単行本]

斎藤 貴男
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

国ぐるみの規模で心がコントロールされる実態。いま、熱く見つめられる「日本国民」の心。消費欲を高めるために、労務管理のために、治安のために…。「改革」の名の下に剥き出しになった弱肉強食の世界で、いま人々の内面が利用される様を徹底取材する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

斎藤 貴男
ジャーナリスト。1958年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。英国バーミンガム大学修士(国際学MA)。新聞記者、週刊誌記者などを経てフリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 329ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/03)
  • ISBN-10: 4480842780
  • ISBN-13: 978-4480842787
  • 発売日: 2008/03
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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28 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ぽるじはど トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 モラル(道徳)とは、支配層が人民統治しやすいように上から押し付けで守らせるもので、民衆が自ら暗黙の了解などにより守っているルールを、コモンセンス(常識)と私は使い分け、モラルという単語自体極力使わないようにしているが、本書では正にモラルの追求がなされている。

 ソ連が崩壊し、アメリカングローバリズムが席巻しだしたした頃、日本の年間自殺者数は大幅に増えて3万人越えを果たし、10年連続して今も続く。
 剥き出しの資本主義の下で、多国籍企業による“銭原理主義”が唯一無二の価値観とされ、それに歯止めをかけねばならない政治も、その方向性を野放しどころか増長させ、弱者は切り捨てていく。
 人間は深く物事を考える余裕を奪われ、判断基準は情緒が主となり、コーポレイトメディアとして企業の代弁が主目的のワイドショーに扇動され、似非科学や精神世界に救いを求める。
 そしてそれまでもが「かならずかならず身に応ぜぬ分限を願いたまふな。 おまへの何ほどお知恵がありても、人の貧福は出生の初めより定まりたる天命なることなれば、中々知恵才覚のおよぶ所にあらず」(江戸商人家職訓) を知らず知らずに受け入れさせ、相田みつをの下手字短文のように我慢を強いる方向に誘導し、それがファシズムへ陥らせる結果へとつながっていく。

「道徳」を強いる側の、(大小問わず)企業による、偽装請負や過労(自)死・労災隠し・脱税・談合などは、枚挙に暇がない。
 正に“上が儲ける為に下は文句を言わず働き、働けなくなれば世を去れ”を浮き彫りにする出来事ではないか。

 うさんくさいものの真の目的に気付くための情報が詰まった良書だった。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Utah
形式:単行本|Amazonが確認した購入
 原始宗教/似非科学が「心のノート」として、教育に復活していることに驚きました。本質的な問題から国民の目をそらし、飼い慣らすための教育・制度に背筋が寒くなります。道徳や倫理ということのすり替え。だまされる日本人。既に手遅れで、大勢が痛い目に遭う事態が避け難い運命になってないといいのですが...。内容がたくさんあるので、まとめにくいですが、お奨めの本です。

小生の印象に残った点は以下です。
・「日本を美しくする会」イエローハットの「心を磨く」トイレ掃除のカタルシスは、禊ぎ/お祓いと共通するものが感じられる。
・中曽根/亀井などの元・岸派/警察政治家の人々が強引に小・中・高に導入した「心のノート」は、「日本の崇高な神様」への崇拝を強制するもの。共同体の構造を良くする(イノベーション)のではなく、おとなしく服従させるための原始宗教教育が行われている。
・「心のノート」は、「お父さんお母さんを大切にしよう」という家族愛を「伝統道徳」として押し付け、「なぜと尋ねること、対話すること」という本来の道徳/倫理から目を背けるように構成されている。
・「ありがとう」と書いた紙の上に載せて冷やした水は綺麗な結晶、「ばかやろう」と書いた紙の上に載せて冷やした水はきたない結晶ができるという「水からの伝言」が「心のノート」の補助教材として教えられている。物理学会は「似非科学」としてこれにクレームを入れている。
・日教組が毎年行っている教育祭で献花する教育塔は戦前からのもので、教育勅語のレリーフが飾られている。
・自衛隊のイラク派遣の際のPublic Relationには、戦前の対国民情報統制が使われている。
・米国でも、レーガンが学力低下にこじつけて、毎朝国旗掲揚する「キャラクター・エディケーション」を導入した。「できる人の子はできる」という貴族優遇(Fixed Mindset)に戻っていて、変革は辺境から貧民の子が起こす(Growth Mindset)という多様性が失われてきている。
・「心の時代」とは、国民にイノベーションを起こさせず、目先のことについてひたすら働かせたい当局に都合のよいムーブメント。

 道徳(規範)や倫理(価値観)は政府が押しつけるような絶体的な物ではなく、人々が対話をしていくなかで醸成されるもの、という近代社会の基本が、日本や米国の教育に無いことに、背筋が寒くなります。「心」とか「伝統」とか「お祓い」とか「一丸」とかいった言葉には、それが構造的に意味するところに気を付けるようにしましょう。
このレビューは参考になりましたか?
34 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ib_pata VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
 政府・与党はちょっと油断しているとすぐに教育現場に手を突っ込んでくるという恐ろしさを感じるとともに、なんとなくではありますが「このぐらいのズサンさならば、またヘタ打ちそうだな」という安心感も湧いてくるような内容でした。「ヘタ打ちそうだな」と感じたのは、「心のノート」を中心とした道徳教育の内容といいますかコンセプトには、なんといいますかサプライヤーとコンシューマーの利害の一致がないと感じたから。確かに無意識に何百回もある傾向のメッセージを与え続ければ、それなりの効果はあるかもしれないけれど、被統治者が自発的な行動に出るのには、被統治者側にも具体的なメリットがなければ難しいんじゃないか、と。例えば催眠術では自殺に導けないというイメージでしょうか。

 この本で読んだ程度のクオリティならば「心のノート」は大した痕跡は残せないとは思いつつも、「心のノート」なんていのうトンデモ本がいつの間にか道徳の時間に使われているという事実には、まったく知らなかったので少しだけ驚きましだ。
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