今まで、仏教に対して私が疑問に思っていたことを解決してくれる本でした。釈迦の説いた仏教から、現在の仏教までの系譜が完結に述べられているからです。
また、出家とはどういう意味か。形式的に出家しなくとも、出家的な生き方とはどのようなものかも解説されています。さらに、仏教の修行が科学の研究と共通点をもつという説明も面白く感じました。
残念なのは、『「律」に学ぶ生き方の智慧』というタイトルのアピール度が不足していること。まず、『律』というのが、一般人にはわからない言葉です。私なら、『釈迦の説いた出家の意味を解き明かす』とでも付けるでしょう。
著者の佐々木閑氏は、なかなか面白い経歴の持ち主です。
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1975年、福井県立藤島高等学校卒業。京都大学工学部工業化学科および文学部哲学科仏教学専攻卒業。京都大学大学院文学研究科博士課程退学後、米国カリフォルニア大学バークレー校留学。花園大学文学部仏教学科講師、助教授を経て、現在、教授。
1992年、日本印度学仏教学会賞。2003年、鈴木学術財団特別賞受賞。
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京都大学の学生は、変人になることに価値を見出すということですが、その中でも、文学部哲学科というのは、世捨て人のような変人が集まるところのようです。(同大学出身者のコメント)世を捨てて、東洋哲学の研究をしているところですので、その研究の深さには驚くべきものがあります。その片鱗を、佐々木先生の本を読むと感じることができます。