連合赤軍事件が起きたのは1972年のこと。本書は、この事件の裏側に、70年代以前の時代精神と、以降の消費社会的な感性との対立があった事実を指摘した本である。山岳私刑(リンチ)の発端が女性活動家の指輪にあったこと、同じ女性が党派の首領を「かわいい」と評したエピソードの紹介など、一見何でもない発見のように見えるが、事件の担い手たちのその後を、獄中手記などを手がかりに記述する著者の詳細な分析にかかると、この事件が70年代という時代の結節点を、見事に象徴していることに思い当たるのである。
著者は「ぼくの関心は『矮小』なるものの歴史化に向けられる」と言う。「(それが)サブカルチャーとして生まれた世代の唯一の『成熟』の形ではないか」と。連赤同世代の相対的な沈黙に比し、後続世代がかくも真摯な分析を行ったことを、どう考えればよいのだろう。ちなみに著者は1957年、森恒夫は44年、永田洋子は45年の生まれなのである。(今野哲男) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
登録情報
|
第2章は、「彼女たち」の日本国憲法、と題されているが、どちらかというと、サブカルチャーの観点から女性論を述べていくという、作者の得意とするテーマで集められた論集であり、日本国憲法は、その中のひとつのトピックに過ぎない。このテーマの論集としては、手軽で読みやすく、この本は今のところ、入手しやすいので、興味がある人はこの本から初めて損はないと思う。
|
|