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「彼女たち」の連合赤軍―サブカルチャーと戦後民主主義 (角川文庫)
 
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「彼女たち」の連合赤軍―サブカルチャーと戦後民主主義 (角川文庫) [文庫]

大塚 英志
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)

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   1960年代末から1970年代初頭にかけての時期は、学園紛争が吹き荒れる一方でサブカルチャーが隆盛の兆しを見せ始めるという、今考えると非常におもしろい時代だ。終戦以降の戦後民主主義社会の見直しと、今に続く高度消費社会への準備とを、世の中全体が同時に行っていたわけで、その意味では、政治、経済面ではもちろん、社会、文化、風俗面から見ても、日本の精神史の山脈に表れた一番大きな分水嶺と言えるのではなかろうか。

   連合赤軍事件が起きたのは1972年のこと。本書は、この事件の裏側に、70年代以前の時代精神と、以降の消費社会的な感性との対立があった事実を指摘した本である。山岳私刑(リンチ)の発端が女性活動家の指輪にあったこと、同じ女性が党派の首領を「かわいい」と評したエピソードの紹介など、一見何でもない発見のように見えるが、事件の担い手たちのその後を、獄中手記などを手がかりに記述する著者の詳細な分析にかかると、この事件が70年代という時代の結節点を、見事に象徴していることに思い当たるのである。

   著者は「ぼくの関心は『矮小』なるものの歴史化に向けられる」と言う。「(それが)サブカルチャーとして生まれた世代の唯一の『成熟』の形ではないか」と。連赤同世代の相対的な沈黙に比し、後続世代がかくも真摯な分析を行ったことを、どう考えればよいのだろう。ちなみに著者は1957年、森恒夫は44年、永田洋子は45年の生まれなのである。(今野哲男) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

出版社/著者からの内容紹介

永田洋子はなぜ「乙女ちっく」な夢を見たのか?

獄中で乙女ちっくな絵を描いた永田洋子、森恒夫の顔を「かわいい」と言ったため殺された女性兵士。連合赤軍の悲劇をサブカルチャー論の第一人者が大胆に論じた画期的な評論集がついに文庫化!新たに重信房子論も掲載


登録情報

  • 文庫: 327ページ
  • 出版社: 角川書店 (2001/05)
  • ISBN-10: 4044191093
  • ISBN-13: 978-4044191092
  • 発売日: 2001/05
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
まず、第1章は、連合赤軍について最低限の知識を、前提として書かれていることは、買う前に知っておいたほうがいいと思う。その上で、この本は、非常に面白い事件への見方を提供してくれるのだろう。当時の学生運動に関しては、よど号の明日のジョー発言に関するものをはじめとして、サブカルチャーの観点からの解釈が、いろいろ出ているが、この論説も、その中の一編として、地位を占めうるものだろう。

第2章は、「彼女たち」の日本国憲法、と題されているが、どちらかというと、サブカルチャーの観点から女性論を述べていくという、作者の得意とするテーマで集められた論集であり、日本国憲法は、その中のひとつのトピックに過ぎない。このテーマの論集としては、手軽で読みやすく、この本は今のところ、入手しやすいので、興味がある人はこの本から初めて損はないと思う。

このレビューは参考になりましたか?
20 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
本書の論点は、けっしてオリジナルではない。いやオリジナルでないからこそ、重要である。本書の内容からいったん離れるが、1970年とは、資本主義の転換の時代であった。そしてそれと対照関係にあった共産圏が、資本主義・消費文化との対抗をめぐって、引き裂かれていく時代だった。文革はそのバックラッシュであり、そしてクライマックスはポルポトの大虐殺だった。規範的な解放理念と、内面からつきあげてくる欲望=消費感覚との軋轢、そこから連合赤軍における「少女」をつきとめようとする本書のアプローチは、解放理念は規範的ながらも、しかし実は個人主義的な理念につきうごかされていた68年の運動全般にあてはまる論点だとおもう。そしてフェミニズムは、この規範・自制・禁欲と、個人主義、欲動肯定なもの、この二つに分裂しつつ展開しているのではないだろうか(よかれあしかれこの二つをつなぎとめているのは、本書にも登場する上野千鶴子である)。

「事件」のあと、後者の欲望肯定が全面化した日本社会は、消費文化=おたく文化が席巻した。いまや解放理念は「嗤い」の対象になりはてた。しかしその末路あらわれたのは、ネオ・リベラリズムにあまりにも免疫がない社会だった。昨今大塚が憲法をはじめとする「理念」を強調するのは、こうした危機感のあらわれからだろう。
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By kiki
形式:文庫
 タイトルだけだとよくわからない。
この本は様々なトピックについての論集だが、連合赤軍を扱い、オウム真理教を扱い、そして
少女マンガについて論じるときも、そのキーワードは「女性」と「時代精神」だろう。
 連合赤軍のリンチの発端になったのも、女性のかわいくみせるふるまい―その10年後には
当たり前のようにみられる、服装、化粧などなど消費文化を受け入れ、愉しむやり方。
 またオウム真理教については、その幹部女性に注目したりする。
 1980年代の時代精神については、目新しい議論ではないが、ささやかな「矮小」された
出来事に着目し、そして(時に強引とはいえ)非常に読みやすい文章で書かれていることは
ありがたい。そして、軽く書かれているように見えて、読み応えは十分ある。
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知らないから知りたくなる。
連合赤軍。今、いろいろな本で読むと、あまりにも凄惨なその事件に驚きを隠せない。しかし、この時代を私はじかには知らない。知らないから知りたくなる。そんな思いでこの本... 続きを読む
投稿日: 2009/7/29 投稿者: ポチR
木を見て森を見ず。何が言いたいのか不明。
本書のメインの内容は戦後のサブカルチャーについてであり、連合赤軍に関係した内容はごく一部である。... 続きを読む
投稿日: 2009/3/3 投稿者: JB
論説としては散漫。
「多重人格探偵サイコ」などの原作者による、戦後史観。
「少女民俗学」「「りぼん」の付録と乙女ちっくの時代」と併せて三部作構成を成すそうだ。... 続きを読む
投稿日: 2004/8/19 投稿者: garbanzo
ご苦労様
... 続きを読む
投稿日: 2004/6/16 投稿者: ostrichはOsterreichではない
<おたく>の行く末
<おたく史観>というと著者に非常に失礼な、ものいいになってしますのですが、<おたく>あるいはそのネガとしての<フェミニズム>といった両性の視点から、非常に分かりや... 続きを読む
投稿日: 2002/2/20
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