お産についてのあり方について、考えさせられる本としても素晴らしいが、シンプルな本の外観に反して、人間性や日本人らしさを取り戻せ!という熱い渾身のメッセージがたっぷりと込められている。男性にこそぜひ読んでほしい。
明治以降、日本に西洋文明、工業社会によって破壊されてきた日本人の文化は多岐にわたる。食生活、性生活、教育、仕事、そして何よりも日本人らしい心である。生まれたときから医療介入を受け、母子ともに離され、学校教育では画一化された頭脳の使い方を強制され、会社に入ったら給料のために家畜のように管理された人生を歩む。そこに人間らしい生き方はあるのか。まずは、お産を取り戻すこと。親子の絆から取り戻すことが人間性を取り戻す第一歩になるという吉村氏の主張は至極全うなものと感じる。現代の産科学を完全に否定する姿勢や「死ぬものは死ぬ」という吉村氏の深い死生観からくる発言が、極論として受け取られ、批判する医療関係者もいるようだが、吉村氏に対する理解としては、非常に浅いものとだと感じる。実際に会ったときの吉村氏は老体をひきずり、全国各地を講演し、いつ死んでもおかしくないほどである。ここまで女性のために命を懸けた男を私は知らない。もちろん人間として、完璧な人ではないだろうが、批判など考えれらない。