今は亡き実在した一人のじいさん(主人公竹村)が死の直前にたまたまマカオで筆者と出会い、意気投合して筆者が譲り受けた十五冊の日記とその語らいが、こうして本になったという事実にとても感動を覚えました。1935年~1990年代にかけ、インドシナ、中国を拠点に歴史的にも重要な「洪門」「幇」メンバーとなり、自らも戦士~殺し屋として、結果、太平洋戦争、ベトナム戦争の真っ只中をくぐり抜ける運命に翻弄された主人公から見た真実は、アジアの混乱した時代を知る上で歴史的な観点からも非常に重要な証言であるのでしょうが、それ以上に、翻弄されながらも激しく生きてゆく主人公に心を打たれました。仲間、家族は残虐や弾により時代に殺され、自らも悲しみの殺し屋となり、以降常時命を狙われる身でありながらも、命ある限り生き抜いた主人公に、最近身内を亡くし何もやる気のない私は、励まされ、はっとさせられる思いをしました。そして充分ハリウッド映画にでもなりそうな迫力でした。きっと映画化したい方もいるのではないでしょうか。縁あって本に出会えたことに感謝します。