以前、「帝国以後」を読み「パックス・アメリカーナ」への異議申立に驚愕した。本書は米国のイラク侵略を米国支配体制崩壊の萌芽と斬り込む。また既にEUが米国に拮抗する勢力に成長したと同様、東アジアでも日中が独仏の相似形を形成すれば米国から日本も脱却可能と示唆する。これを受け榊原外の論客も自主独立の道を探る努力を語る。然し論客達にも明快な答えは無い。頼りになる保護者と気まぐれで身勝手なならず者といった米国の二面性をアフガンやイラクの民衆よりずっと以前から知っているからだ。それほど長く占領が続いていることを改めて認識する。読みやすく、内容は多岐にわたり、現在の政治状況、日本の進むべき方向を真剣に考えさせる。エマニュエル・トッドの名を借りた「日本の自主独立」をテーマにした愛国本とも言えよう。藤原書店は21世紀の岩波書店。