自分はいわゆる帝国論のようなものには詳しくないのだが、ここで言われる「帝国」というのはそのままアメリカの事を指していると見てよさそうだった。帝国の外交といった章でもそこで分析されているのは明らかにアメリカの外交で、私もそれとして読んだ。…と書いた後で改めて序章などを読むと明白に「アメリカを帝国と見なして」「アメリカ帝国をめぐる国際関係の実態を明晰に分析した労作」とあったので、間違いなくアメリカの国際政治学の本である。人名や図表も非常に豊富で、ネオコンリストなるものもあり、アメリカの外交、戦争、ネオコンなどを考える上で良い資料として役立つかと思う。また私などは帝国と聞くとまずマルチチュードなんかを頭に浮かべてしまうのだが本書はそういう概念には触れられない。