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「少年ジャンプ」資本主義
 
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「少年ジャンプ」資本主義 (単行本(ソフトカバー))

三ツ谷 誠 (著)
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「蟹工船より海賊船」

「男一匹ガキ大将」「アストロ球団」「北斗の拳」「ドラゴンボール」「ONE PIECE」……。
少年ジャンプ40年の歴史を追いながら、それぞれの年代を背負った人気マンガを紹介し、なぜそれらの作品がその年代に求められたのか、その作品が当時の読者に何を伝えていたのかを論じる。
また、ジャンプの掲げる「友情」「努力」「勝利」という三つの理念が、なぜその創刊の年でもある1968年以降の高度資本主義社会に、しかもグローバルに受け入られたのかを、懐かしいマンガの評論を介して論じ、共同体的なものを破壊し人間を一人ひとりは限界的な「労働者」「消費者」「投資家」に還元してしまう力を持つ資本主義的な世界の中で、「友情」だけがその世界に対峙するための砦になりえることを伝える。
そして、最後には「生きさせろ」ではなく生きていくために、蟹工船的な現実認識に留まるのではなく海賊船に乗ろう!(自分の船を探そう)という熱い主張を展開する。

少年ジャンプ論でありながら、作品論でもあり、少年ジャンプを切り口にした現代史でも、資本主義論でもあるという、一冊で何度もおいしいギャラクテカマグナム級の野心的評論。是非一冊お手元に。
―――――――――
グローバリズムの嵐の中で仲間たちと連帯する方法を、『少年ジャンプ』の名作が教えてくれる。「友情」「努力」「勝利」の脳内回路が、気付かぬうちに鍛えられる。――脳科学者・茂木健一郎


著者について

JMM寄稿家/某大手金融機関勤務/日本証券アナリスト協会検定会員。
1963年静岡県生まれ。立命館大学文学部卒業、心理学専攻。早稲田大学大学院社会科学研究科修士課程修了、企業・経済動態論専攻。
著書に『実践IR――自社株マーケティング戦略』(NTT出版、2000年)、『ぼくらの経済民主主義』(NHK出版、2002年)などがある。雑誌などへも寄稿多数。
村上龍氏が編集長を務めるメールマガジン「JMM」(Japan Mail Media)の創刊時からの寄稿メンバー、経済事象をブンガク的に読み解く論考で異彩を放っている。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 336ページ
  • 出版社: エヌティティ出版 (2009/9/18)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4757122454
  • ISBN-13: 978-4757122451
  • 発売日: 2009/9/18
  • 商品の寸法: 18.6 x 13 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 40,519位 (本のベストセラーを見る)

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5つ星のうち 5.0 時代と共にあるマンガと資本主義と, 2009/10/10
まだ、一章しか読んでないが、とりあえず思ったことを書こう。昔、子供の頃、弟が買ってきたマンガをむさぼり読んでいた。その中に少年ジャンプがあった。子供の頃は当時の時代を捉える術はなかった。朝になれば学校に通って毎日が過ぎていく、そんな感じだった。この本は少年ジャンプの歴史を当時の時代背景とリンクさせ、なおかつその中に資本主義というものがどういうものなのかをわかりやすく記していく。まだ読み始めたばかりだが、おそらく筆者は資本主義というものをどこか遠い世界のものとしてではなく、まさに我々が各々の夢を実現させていくシステムとして捉えることも可能だと言っているのではないか。そして、夢の実現は少年ジャンプが追及してきた友情・努力などというものによってより実現に近づいていくのだと言っているように思う。
二章を読んだ。70年代の少年ジャンプの中でも「アストロ球団」を取り上げて話は進んでいく。身体のどこかに同じボールのあざを持つ少年たちが集い野球チームを結成し、激しい戦いが続けられていく。この頃社会は企業という、いわば一つのチームとも言える中でひたすら競争に勝つことを強いられ、企業戦士がもてはやされた。マンガもまたそのような時代を映し出していたと言えよう。そういう意味では純粋にチームの一員として命をかけてでも戦う選手と、チームの一員になることを拒み続けた選手と、企業戦士の心の葛藤を反映していたと、今になって思えるが、子供の時はそこまでわからなかった。改めてなるほど、そうだったのかと思った。もう一つ、少年ジャンプが創刊当初から徹底したアンケート至上主義を取っていたことを知り、感動した。読者の視点に立ってマンガを作っていく、このことは民主主義にも相通じるのではないか、とても嬉しくなった。さて、次は第3章だ。バブル崩壊後の社会を反映して少年ジャンプは読者と共にどう生きてきたのか。
今、本を読み終えて思うことを書こう。バブル崩壊後のジャンプは自分も読んだことのある「北斗の拳」や「ドラゴンボール」等が読者の人気を集めて展開されていった。そして現在に続くまでのマンガの分析もあわせて思うこと、それは読者がマンガを通して、そこに自分の夢といったものを重ねながら生きる今、まさに生きている社会にどう対峙していくのか、読者一人ひとりの主体性が問われていると思う。その主体性を前提に連帯のあり方を探っていこうと筆者が提起しているように思われた。
それはマンガだけではなく、本や音楽やテレビや、あるいはもっともっと様々な物を媒介にして、さあ、次に問われているのは自分だ、君たちだと言っているように思えた。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 少年ジャンプの思想史, 2009/9/27
By ソコツ - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
タイトルから推測して例の「ジャンプ・システム」を経済学的に分析した本かと思ったが、その憶測はよい意味で裏切られた。戦後日本における資本主義の成熟、あるいは社会構造や思想の変遷を追いながら、少年ジャンプの時代ごとの代表作のストーリーと世界観、そしてその圧倒的な魅力について論じていくというのが、本書の主な内容である。『男一匹ガキ大将』『アストロ球団』『リングにかけろ』『キン肉マン』『キャプテン翼』『北斗の拳』『ドラゴンボール』『幽遊白書』『スラムダンク』『ジョジョの奇妙な冒険』『ONE PIECE』等々、「友情」「努力」「勝利」という理念を感動的に描ききったジャンプの「正統」に位置する作品たちが、そのうち特に「友情」に力点を置きながらあらすじ紹介される。
ジャンプ作品が描く「友情」は、村落共同体が崩壊した社会において共に強く生きていくための方法を読者に教示してくれた。高度経済成長期には『男一匹ガキ大将』が一つの目的に向かって一致団結する情熱を、バブル期には『ドラゴンボール』が無国籍化し仮想現実化する世界に適応した個人の軽妙な生き方を、グローバル化や「帝国」化が進展するゼロ年代には、『ONE PIECE』がそれぞれの個性を活かしながらそれぞれの夢の実現に向けて連帯することの大切さを、興奮するバトル・ストーリーと涙の出るような素敵なエピソードを通して教えてくれた。これが本書の主張の核心である。
全体的に、こなれた文章によるあらすじの紹介がとても巧みであり、読んでない作品は読んだような気に、読んだ作品は読んだ時の感動が蘇る、という楽しい読書ができた。ジャンプ作品の系譜を社会の変容と呼応させながら論じていく筆致も非常に説得的であり、なるほどと思わせる。エンタメ至上主義の少年マンガを、資本主義という視点から読み込んでいくスタンスは、人によっては大いに違和感を抱くかもしれないが、そういう部分を読み飛ばして作品論だけを参照しても本書は十分面白い。やや不満があったのは、ジャンプ史の中でも異彩を放ちつつしかしこれも代表作の一つだと思われる『デスノート』に対する言及が皆無なことであるが、あの非情の世界は著者の枠組みでは論じにくいだろうから仕方ないかとも考える。
いずれにせよ、ジャンプ・ファンによるジャンプ・ファンのための本、という性格が濃厚であるため、この戦後の日本文化が生んだ至宝のような雑誌に魅了されたことがある人には、是非一度は読んでほしい一冊である。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 マンガを通した自己発見, 2009/10/23
筆者の作品を読むのは「実践IR」、「ぼくらの経済民主主義」に続いて個人的には3作目となるが、経済史や経済思想史に詳しい筆者ならではの鋭い洞察が少年ジャンプという大衆的な対象と融合しており、非常に親しみ易く且つ読み易いものに仕上がったという印象を持った。創刊より読者アンケートによる作品セレクションを実践する少年ジャンプを、民意を示す鏡、民主主義の産物として位置付け、1970年代から現在に至る日本における資本主義の変遷とそれに伴う各年代の社会構造、そして当該構造に大きく影響を受ける我々日本人の思想の方向性を少年ジャンプの代表作を通じて概観して行くその筆致は読者を非常に惹きつけるものである。
また、「友情」「努力」「勝利」という普遍的に子供に求められる素養を理念とする少年ジャンプの精神を初めて知ったが、マンガの位置付けを単なる娯楽としてだけでなく、教育的、更に言えば自己発見を行うツールとして見做すことも可能だと筆者は伝えたいのではないかと感じた。筆者の挙げる代表作『男一匹ガキ大将』『アストロ球団』『ONE PIECE』には成程、各時代における日本人の精神、思想の方向性が反映されていることに気付かされるが、更に言えば時代時代におけるそのような民衆の思想の方向性と言う大きな皿に上に実は各個人の思念が乗っているのではないかとも感じさせられた。その意味では作品毎、更に作品の中のキャラクター毎に個々人の嗜好に多様性があることは自明であるが、特定の作品に惹かれる自分を筆者が指摘する大きな思想の皿に乗せることにより、自分の中に無意識にある思想の方向性や自分の望ましい姿などを発見することが出来るのではないかと思う。特に方向性が見出し難い2000年代(ゼロ年代)をグローバル化や「帝国化」が進展する年代とし、グローバル化された株式会社(競争社会と言い換えても良いかも知れない)により個人が疎外される、若しくは個人が社会に埋没するが故に、我々は友情を強く求めていることを見抜く洞察力には個人的に強い共鳴と感銘を覚えた。
筆者が紹介する少年ジャンプの各作品のあらすじも簡潔だが皆が覚えているような印象的なポイントをしっかりと押えており、資本主義など言う堅苦しいものではなく、少年ジャンプの代表作のあらすじ紹介を通して昔を懐かしむと言った軽い気持ちで是非、手にして欲しいと思う。少年ジャンプだけでなく、少年だった当時の日常の記憶が脳裏に甦って来ることでしょう。
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投稿日: 11日前 投稿者: Zaan

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