サブタイトルにあるように、本書の中心は2006年3月に発覚した「富山・射水市民病院の呼吸器外し事件」の真相を探ろうとしたルポルタージュである。
著者は、7件の呼吸はずしをおこなったN医師に対し、技術的にも精神的にも「個人的資質に問題があった」と手厳しく批判。
その後、「脳死判定」基準のあいまいさ、「尊厳死法制化」批判へと展開される。
著者の独特のざっくばらんな書きっぷりは、やや読みづらく好みが分かれそうだが、その分、立場や持ち味は明確。
”どのような状態であっても、最後まで命をまっとうし尽くしたい”、という意気込みが伝わってくる。
ご自身は、乳がん手術をされた経験をもっておられる。
個人的には、この”過剰に逸脱的な”N医師のケース以外の「呼吸器外し」の実態がとても気になった。
また、わたしが末期の患者やその家族になった時のことを想像してみたりもした。
「もう、このあたりで…」?、「できる限りのことを!」?
単純には答えの出しがたい難しい問題だが、いずれは「我がごと」。
多くの人が、もっと現場を知り、おのおのが率直に意見を述べられるようになれば、と願う。