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「尊厳死」に尊厳はあるか―ある呼吸器外し事件から (岩波新書)
 
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「尊厳死」に尊厳はあるか―ある呼吸器外し事件から (岩波新書) [新書]

中島 みち
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

二〇〇六年三月、富山県の射水市民病院で入院中の末期患者七人の人工呼吸器が取り外され、死亡していたことが明らかになった。実際にはいかなる事態が起きたのか?その後つづいた「尊厳死法制化」をめぐる政府・医療界・メディア等の動きも踏まえ、今、日本の終末期医療に真に求められていることは何かを渾身で問いかける。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

中島 みち
ノンフィクション作家。1953年東京女子大学卒業。TBS勤務を経て、70年中央大学大学院法学研究科(刑事法専攻)修士課程修了、同年乳がん手術。その後、安楽死、生命倫理、医療制度など、医療と法律の接点となる諸問題について執筆を続ける。現在、(財)日本医療機能評価機構評議員、(財)日本訪問看護振興財団理事なども務め、一貫して患者の立場からの医療への提言を行う。94年、第42回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 209ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2007/9/20)
  • ISBN-10: 400431092X
  • ISBN-13: 978-4004310921
  • 発売日: 2007/9/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By misora VINE™ メンバー
形式:新書
サブタイトルにあるように、本書の中心は2006年3月に発覚した「富山・射水市民病院の呼吸器外し事件」の真相を探ろうとしたルポルタージュである。
著者は、7件の呼吸はずしをおこなったN医師に対し、技術的にも精神的にも「個人的資質に問題があった」と手厳しく批判。 
その後、「脳死判定」基準のあいまいさ、「尊厳死法制化」批判へと展開される。

著者の独特のざっくばらんな書きっぷりは、やや読みづらく好みが分かれそうだが、その分、立場や持ち味は明確。
”どのような状態であっても、最後まで命をまっとうし尽くしたい”、という意気込みが伝わってくる。
ご自身は、乳がん手術をされた経験をもっておられる。

個人的には、この”過剰に逸脱的な”N医師のケース以外の「呼吸器外し」の実態がとても気になった。
また、わたしが末期の患者やその家族になった時のことを想像してみたりもした。
「もう、このあたりで…」?、「できる限りのことを!」?
単純には答えの出しがたい難しい問題だが、いずれは「我がごと」。
多くの人が、もっと現場を知り、おのおのが率直に意見を述べられるようになれば、と願う。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:新書
そもそもこの本を手にしたのは、家族の内に、長く寝込んだ患者を見、その介護に疲れる家族を見てきているからです。そのために、死ぬときは「ぽっくり逝きたい」という思いが強く、今回もこの本に向かわせました。
読んでみると、「尊厳死」というものが、それ程単純なことではないということが良く解りました。少なくともここには、患者自身、家族を含めた周りの人びと、医師と三者の思惑が存在します。この三者の意志が一致すれば問題は少ないかも知れません。でも、実際にはその間にずれが生じることが多いのでしょう。
私自身は、この本の中で「リビング・ウイル」ということに強く惹かれました。それは・・・
(1)死期を単に引き延ばすだけの延命治療を一切断る
(2)苦痛を和らげる措置は死期が早まっても良いから最大限に実施して欲しい
(3)数ヶ月以上にわたる植物状態に陥ったら、一切の生命維持装置を止めて欲しい
こうした患者本人の意志が尊重されてこそ「人間の死」だろうという気がします。
最も十人中十人が、死の直前に「生」への執着を示すと言うことですが・・・。
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10 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By miyajee
形式:新書
安易に尊厳死が認められる風潮に警鐘を鳴らす本です。
気をつけるべきは、著者も無闇な延命を是認しているわけではないということでしょうか。ですが、現実には主に医者や家族の都合によって「尊厳死」の美名によって、必要とされる延命が中止される事態が発生しているのではないかと疑念を呈しているのです。

そして、それが典型的に現れた例として、2006年に判明した、富山の射水市民病院におけるある医師による、7件の呼吸器取外しを追及しています。

警察の捜査中であるにもかかわらず、メディアはX医師の行為を是認するかのような報道を繰り広げ、X医師自身も積極的にメディアに露出し、まるで悲劇のヒーローとして振舞っています。

著者は、そんな中、X医師をはじめとする関係者への精力的なインタビューと資料の読み込みによって、その風潮に異議を唱えているのです。

尊厳死の伝道者であり、500人の患者を看取ったと述べるX医師の、「死」「脳死」についての基本的知識のあまりのあやふやさや、X医師が主張する「脳死状態」と言われるもののあまりのいい加減な認定を、そして呼吸器の装着や取外しについてのあまりの場当たりさ加減を暴きます。これが「尊厳死」と喧伝される事案の実体と言うわけです。

メディアやそれにつられた行政が、具体的な検証をろくにしないまま、尊厳死なるもののガイドライン化を急ぐ様と、それが医師の免責を主体としたものである欺瞞もまた描かれています。

尊厳死が、患者本人ためではなく、「面倒くさい」と思う周りの都合を美化する言い訳ではないのか、ということを突いた本書の指摘は貴重です。
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