この本は長年にわたり、地道に「発がん物質」と向き合ってきた著者が放射性物質(だけに限らないが)による発がんの影響をどう考えれば良いのか丁寧に解説した本です。それだけに留まらず、食品の安全基準の決め方やリスク比較の考え方、現在流行の某「健康」食への警鐘。喫煙の影響やEBMについてなどにも触れられています。
また、解説が丁寧なだけではありません。リスク比較について、非常に慎重な言い回しや注記によって誤解を避けるような配慮がなされています。例えば、食品ごとのリスクを比較したコラムが数ヶ所ありますが、それぞれに「注意:過程の計算なので現実にがんになる確率だとは考えないこと」と注意書きがあります。私はそれらを見て誠実な本であるという印象を強く持ちました。
最後に、私はこの本を次のような方々に読んでいただきたいと思います。
・食のリスクに興味を持っている方々(特に前著の読者)
・地域で除染や被曝防止について活動しておられる方々
・安全な食品を食べたいと願っている方々
もしかしたら、思っていたことと違うことや意外なことも書かれているかもしれません。また、読むのには多少の労力を要する本です。ですが、この本はきっと皆さんの食生活を考える上での参考になるはずです。
参考 著者のブログ 食品安全情報blog http://d.hatena.ne.jp/uneyama/ 日々食のリスクについての情報発信を行っている