NHK大河ドラマで人気の風林火山は、「孫子の兵法」からとったものだとは知っていた。しかし、では「孫子の兵法」とは何と聞かれると、応えられない。高校時代に習った気もするが、「三国志」という物語なら、うろおぼえでわかるのだが、「孫子の兵法」に何が書かれていたかまで、思い出せない。
それで、本書の登場である。
本書は、「孫子の兵法」に展開されている内容を解説したものというよりも、孫子が説いている戦略、とくに組織論の「ツボ」を、ていねいにひもとき、やさしく解説してくれる本である。その視点が、「誰にでもわかるように伝えよう」としていて、読者としては、とてもありがたい。
難しい漢語もなければ、横文字もない。なるべく具体的に、「組織論」の特色を、いわば噛んでふくめるように、説いている。とってもわかりやすいのに、この本から得られるものは、意外に大きいという気がした。
本書は、宮本武蔵の「五輪の書がよーくわかる本」と、同時発売となっている。武蔵の場合は、組織の中で、個人がどう生きるかという哲学を扱っていた。
本書は、孫子の説く組織論を理解しながら、「リーダーはどうあるべきか」について、検討する場も提供してくれる。経営者ないしベンチャー精神にあふれた人はもとより、人生に悩んでいる人は、「決断」のやり方についてのヒントになるかもしれない。