この2〜3年、マスコミが取り上げ、多くの人々にその名を知られるようになった子宮頸がんだが、検診の大切さや術後の後遺症など、まだまだ余りにも知らないことが多いことに驚かされた。
そもそも、子宮頸がんの細胞診が、がんになる前の異常な細胞を発見できる画期的な検診だということを、どれだけの女性たちが知っていただろうか。ましてや子宮頸がんは、性交渉をもった女性ならば、8〜9割が原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)に感染するということも……。子宮頸がんは女性が最初に出会うがんかもしれないのに、多くの女性は予備知識をもっていない。命にかかわる大切な情報をぜひ、教育の現場でも伝えてほしいと思う。
著者の仁科さんは、38歳で子宮頸がんを発症。発見がもう少し遅れていたら2年の命だったという。子宮のほかにも卵巣やリンパ節などを切除し、今も多くの後遺症をかかえていることに驚いた。本書のなかでは、口をつぐんでいたい後遺症についても言及。その体験は、すべての女性に読んでほしい。
巻末には約30ページの「子宮頸がん予防読本」がついている。読本には、子宮頸がんの原因や、素朴な疑問に答えたQ&A、子宮頸がんをめぐる海外の最新情報なども満載。アメリカでは、10代でも性交渉をもって3年がたつ女性たちには、検診を受けるよう勧めている(HPVががんになるには、5年以上かかるので)ことなど、日本の検診の有り様についても考えさせられた。予防読本の内容は、女性はもちろんだが、教育現場や行政の保健事業に関係する人たちにもぜひ読んでもらいたい。