まあ簡単に言ってしまえば、若者が消費しないという傾向を、マーケティング的な分析で分析した本、というところでしょうね。世代間比較とかはまあ面白いといえば面白い。
ただ、残念というか、酷いのはやっぱり前提でしょうね。
この本が想定している前提というのは、やはり新人類世代以降のいかにも「大量消費する若者」なんじゃないかと思うんですね。
実はこれまでの世代の若者が異常な消費欲を見せていただけかもしれないですよね。学生運動期の学生ですらいしいひさいちの
「バイトくん」シリーズとか見ると、今の若者と比べたら比較にならない貧乏暮らしなわけで。
(無論、「バイトくん」は誇張がはいってるかもしれませんが)
ほかの文献とかと比べても、やはりここ20年くらいの若者の消費動向が異常だっただけなのでは?という推論も働きうるんですよね。
その辺の前提を無視して論を展開してるような気がします。
筆者にとっては、この「異常な消費欲」を見せていた若者が、ある意味若者の理想なんだろうなあ…と思います。
そりゃ、マーケティングという世界で商売やってる人ですから、モノが売れないと商売になりませんからね。
しかしそういう今まで自分たちが相手にしてきた客層と異なる若者像が出てきたとき、「劣等感」とかネガティブな論でぶった切っていくのは果たしてどうなの?って思いますね。
もしかしたら歴史的には彼らのような「消費しない若者」の方が当たり前だったのかもしれないわけで。
まあ結局、旧時代的な大量消費型マーケティング論を知りたいとか、そういうところから見た若者論というのを知りたいという人には読む価値ありなのかな、と思います。