本書のメッセージの多くは、五行歌という形式にまとめられています。
五行歌って、どんな詩を指すかご存じですか。
五行歌とは五行で一作品にまとめる短い詩のことを指します。五・七・五のような文字数の規定はなく、行分けによる呼吸論に基づいているそうです。
中島さんは、この「五行」という形式で、「好き」という気持ちからはじまる安心としあわせの世界を表現しました。
朗らかに、時にしっとりと、「好き」という気持ちの大切さを教えてくれる。
「好き」という気持ちが私たちの生きる力の根っこになっていることを諄々と説いている中島さんの文章は、「凜」ということばが似合います。
ああ、そうなんだ。
そういえば、「好き」って命のみなもとみたいなものだったなあ。
でも、こういうことをストレートに言えるのは、やっぱり女性的感性なのでしょう。
たとえば、「ふりかえる」と題した次の作品。
ふりかえるのは
後悔する
ためでなく
わたしを
省みるため
同じことでも、男はつい「人生の全ては過去の蓄積の中にある」なんて書きたくなってしまう。
それを中島さんは、身体の奥底から、心の深いところからことばがあふれるのを待って、5行にまとめました。
もうひとつ、「好きな道」という作品を引用します。
正しい道
なんて、ない
歩いた道を
好きになれば
それでいい
男は、「正義」とか「大義」とか口にしたがります。
男ってダメだなあ、と素直に思う。
やっぱり、命をはぐくむ性にはかなわないのかなあ……。
生きる力が少し弱くなった気がするとき、
人と会うことが少しつらくなったとき、
中島さんのことばに触れると、きっと元気になれます。
だって、中島さんは、「好き」という気持ちの不思議な力を知っているから。