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50 人中、44人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
戦略レベルの歴史のifについて興味深い研究,
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レビュー対象商品: 「太平洋戦争」は無謀な戦争だったのか (単行本)
太平洋戦争について、「もし、こう戦ったならば・・・・」といった書籍は多数出版されている。本書もその一つだが、戦略レベルについてまとめている。本書の要旨は、次の5点だ。 1)日本軍は、第二段階作戦として、占領地域から攻勢に出ず、消耗戦を避けながら、防備を固める 2)潜水艦で連合軍の通称破壊作戦をとる 3)日本軍のシーレーンを防衛する 4)特攻隊をより早い段階で組織化する 5)陸軍をより早い段階で太平洋の戦場に投入する 2)は、確かにそうすべきだった。海軍軍人の中には少数派だが、この考えに立つ人もいた。だが、多数はにはなれず、実際の戦闘では、弱い潜水艦を強い軍艦と戦わせ、戦果を上げることがなかった。3)も確かにそうすべきだった。実際の所、日本は、シーレーンを壊滅され、太平洋戦争に惨敗した。 4)は、欧米人と日本人の特攻隊に対する考え方の違いがよくわかる。日本人がやりたくて特攻隊を組織したわけではなく、「統帥の外道」という認識でやむをえずやったことが、欧米人には理解されていないことに驚かされる。 1)5)は、日本軍が意思統一されていなかったからやりたくてもできなかったことだ。その点では、民主主義国であるアメリカ合衆国の方が、大統領に権力が集中しており、戦略も一本化されていて、効率的に戦争を行える体制だった。 著者は、これらの戦い方によって、1年は戦争が長引き、そうすれば、米ソの対立が始まり、別な形の講和ができたと、主張している。 本書の主張は、なかなか興味深い。一読をおすすめする。
27 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
アメリカ人もこう評価している。ただ、本当の問題は…。,
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レビュー対象商品: 「太平洋戦争」は無謀な戦争だったのか (単行本)
一時期、日本がアメリカに戦争で勝つという「架空戦記」が流行した時代があった。それらのほとんどは荒唐無稽な内容だったが、いろんな意味で「あの時こうしていれば…」という惜しい点が実際の戦争でも数多く見られたことは確かだろう。そして、それらが単なる現実逃避、歪んだナショナリズムの発露だけではないという証拠にアメリカ人でもこうした分析をする人がいるという事実は大変に面白く、貴重なものだろう。具体的な「歴史の修正点」は他のレビューに書かれているとおりだが、冒険的な占領地の拡大に走らず、太平洋の島々を要塞化して死守し続ければアメリカもそう簡単には攻められないというのは説得力がある。もともと日本は西洋の側からすれば世界でも最も攻略しずらい場所に存在する国なのだ。サイパンやグアム・テニアンを占領されなければ当然B29で日本に爆撃を加えたり原爆を落としたりもできないだろう。 ただ、この本を読んで日本人である自分に自信を持てるかというと、そうではないのではないだろうか。日本に戦争に負けないチャンスが十分にあったとすると日本はアメリカの物量に負けたわけではなく、技術に負けたのでもなく、単に自分たち自身の意思統一のなさと戦略性の欠如、つまり、「頭が悪いから戦争に負けた」とすら言い得るのではないだろうか。日本の敗戦に至る道筋は、色々考えてみてもこれ以上の悲惨な可能性は考えられないという作者の言には胸が痛くなる。この本の帯には日下公人氏の推薦文が載っているが、冷静に考えると日本人としての誇りを取り戻すどころかますます日本人の戦略性のなさに危惧を覚えるというのが本当ではないかと思えてくる。その日本人の「本当の欠点」は昨今のニュースを見ていても相変わらず感じさせられる毎日であるからだ。
50 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
大東亜戦争(米側呼称・太平洋戦争)の意義及び日本の敗因を偉大な歴史家が検証する。,
By MT (千葉県木更津市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「太平洋戦争」は無謀な戦争だったのか (単行本)
本来、各種各様の要因が絡み合い、複雑多岐な様相を呈する大東亜戦争のような大規模かつ長期にわたる武力紛争の史実を把握し、その意義を検証することが難事業である。著者が指摘するとおり、日本軍の個々の戦いにおける敗因を結果だけを見て「あの時にこうすれば勝てた」という論評をする向きが少なくない。このような、架空戦争史家は、例えば、「日本艦隊が、ガダルカナルとレイテに置いて、米海軍の輸送船団に突撃していれば決定的勝利をもたらして戦勢は逆転し、太平洋の戦いは日本側の勝利に帰した。」と論評する。いみじくも、著者は、このような単才な思考では適切な教訓を得る事ができないを戒める。筆者は、陸上自衛隊幹部学校・指揮幕僚課程学生の時、戦史の見方を教えられたが、本著書は、かって習った事項を復習する機会を与えて呉れた。すなわち、戦いの現象(例えば敗戦ないし失策など史実)の把握、その原因と結果、影響、教訓と言う思考過程を辿るのが戦史の見方(研究要領)である。本書では、日本の海上交通路の破綻、潜水艦戦力の軽視、船団護衛戦術の不備、多数の輸送船の損失、南方の資源地域から日本本土への戦略物資の搬入量の低下、戦争遂行能力の減退という過程を辿って説明する。本来、フランス近代初期の歴史を専攻して来た著者が、馴染みのない日本の戦争史を手掛けた偉業に驚かされた。この折に史実の探求と分析に心血を注ぐ歴史家の偉大さに敬意を表する次第である。
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