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「大日本帝国」崩壊―東アジアの1945年 (中公新書)
 
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「大日本帝国」崩壊―東アジアの1945年 (中公新書) [新書]

加藤 聖文
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「大日本帝国」とは何だったのか。本書は、日本、朝鮮、台湾、満洲、樺太、南洋群島といった帝国の「版図」が、一九四五年八月一五日、どのように敗戦を迎えたのかを追うことによって、帝国の本質を描き出す。ポツダム宣言の通告、原爆投下、ソ連参戦、玉音放送、九月二日の降伏調印。この間、各地域で日本への憎悪、同情、憐憫があり、その温度差に帝国への意識差があった。帝国崩壊は、東アジアに何を生み、何を喪わせたのか。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

加藤 聖文
1966(昭和41年)、愛知県に生まれる。2001年早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士後期課程修了。現在、人間文化研究機構国文学研究資料館助教。専攻、日本近現代史、東アジア国際関係史、アーカイブズ学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 266ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2009/07)
  • ISBN-10: 4121020154
  • ISBN-13: 978-4121020154
  • 発売日: 2009/07
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 極東の枠組みが決まった数ヶ月, 2009/8/31
By 
革命人士 - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 「大日本帝国」崩壊―東アジアの1945年 (中公新書) (新書)
現在の日本を取り巻く国際情勢の大枠が決まったと言ってもいい終戦後の1ヶ月(台湾は数年)で、絶対無比なる「大日本帝国」の権力が植民地でどのように崩壊し、次の政治体制に委譲されたかを読む。資料を駆使して読む「大日本帝国」はまさに溶けるように消え、南北朝鮮も、中華民国の台湾支配も、ソ連の千島列島占領も、まさにこの数ヶ月に決まった。米ソ中が溶ける帝国にナイフを差し込むように、やすやすと植民地を分割していったのである。

冒頭にポツダム宣言受諾の過程が出るが、まるで目の前でドラマを見ているかのような説明で、類書に比して流れが良くつかみやすい。特に降伏の「聖断」の経緯について、天皇のパーソナリティに依存するのではなく、明治憲法の統帥権独立条項によるセクショナリズムに基づくもの、と分析するというのが新鮮に感じた。

本書を読んでいると、どの土地においても帝国消滅=民族解放ではなかったことが分かる。南洋群島、南朝鮮は米軍の軍政に、満州、北朝鮮はソ連支配に、台湾は国民党に取って代わられただけだった。南北朝鮮の分割は米国務省が30分で決めたことだという。地獄の独ソ戦から転戦してきたソ連軍と交戦中だった満州・樺太(特に満州)は不幸にも、ソ連軍の素行の悪さで大混乱に陥ったが、そのほかでは、敵に権力を譲渡するまでのほんの1ヶ月程度、権力の空白があったにもかかわらず不思議に平穏だった。

ヨーロッパでは崩壊した、大戦後のイレギュラーな秩序は極東で今なお厳然として残り、年々その秩序は強固になっている。現在の極東情勢の成り立ちに日本は無力な主役として関わらざるを得なかったんだと、改めて痛感した。
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 様々な「8月15日前後」, 2009/8/18
レビュー対象商品: 「大日本帝国」崩壊―東アジアの1945年 (中公新書) (新書)
 太平洋戦争は平成20年8月15日に終わったと考えられ(法的には,9月2日の降伏文書調印が終戦),実際,日本本土に限って言えば,同日から空襲がストップして,戦後がスタートした。
 しかし,満州その他,本土を除く日本帝国領・占領地では,必ずしもそうではなかった。例えば,台湾では,10月25日まで,台湾総督府と日本軍の統治が続いた。あるいは,南樺太では,8月22日に停戦協定が成立した直後にも無差別空襲で100人以上が死亡している(南樺太・千島列島は「内地」に編入されており,内地で唯一地上戦が戦われた地域と言うことができる。沖縄が国内唯一の地上戦という言い方は正確ではない。)。
 こうした各地の状況分析を踏まえて,筆者は,次のように言う。
「東アジアにおいては,第二次世界大戦終結を境に戦前と戦後を分ける捉え方は再考しなければなるまい。むしろ,大日本帝国の崩壊から国共内戦,さらには朝鮮戦争にいたるまでを一つの歴史の連続体として捉えるべきであろう。またそれと同時に,日本列島,朝鮮半島,中国大陸などと細切れにされた地域の歴史としてではなく,それらを包摂したより広い地域を一つの歴史として捉える視野が求められよう。」(231〜232頁)
 断片的な知識として知っていたことは多かったものの,このような形で総括的な提示を受けると,歴史の見方が少し違ってくるような気がする。
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15 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「大日本帝国」「大東亜共栄圏」そして「日本」とは, 2009/7/27
By 
レビュー対象商品: 「大日本帝国」崩壊―東アジアの1945年 (中公新書) (新書)
 1945年8月15日に軸を置いて、大日本帝国が崩壊していくさまを詳細に描く。日本本土での終戦等はよく描かれるが、朝鮮や南洋でのそれはいささか珍しかろう。本書はそこから「大日本帝国」とはなんであったか、考えていく。 
 実証的な醒めた目で、政治的には特定の立場にはコミットしていない。
 第二次世界大戦という力のぶつかり合いの結果、連合国は日本にポツダム宣言突きつけ、また、すったもんだの末に日本はそれを受諾する。そして朝鮮、満州、南洋、台湾は「解放」されたり「返還」されていくわけだが、それも直ちに整然とすすんだわけではなく、ダイナミックに、そして緩慢と、ある意味では「ぐだぐだと」行われたことがつまびらかにされる。
 米ソのパワーゲーム、泥縄式の日本、右往左往する現地の人々。
 ポツダム宣言に参加できない「戦勝国」の蒋介石、「日本に勝った」わけではないために憤懣を持つことになる南北朝鮮の代表、なし崩し的に瓦解する「満州国」、依然として存在する中国大陸の日本軍、比較的友好的・スムーズに引き上げの進んだ南洋、「終戦」後も戦闘のつづく樺太・・・。第二次大戦とはなんであったのか、日本の「大東亜共栄圏」も、連合国の「民族自決」も空々しく響く。
 そして我々日本人の第二次大戦、そして旧帝国領への無知や無関心、ねじれが鋭く問われることになるのである。
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