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42 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
集合知とは何か?,
By フジキセキ (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「多様な意見」はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき (単行本(ソフトカバー))
集合知、集合の知恵とは具体的に何か?を問うた本です。まず序章は集合知を測定するアルゴリズムには遺伝的アルゴリズムを用いている事を 指し示しています。そしてその手法を紹介しています。 本書はパート2からが本題です。集合の知恵を用いて出した解答は非常に正確なのもだと 著者は言及します。 そのためには似たりよったエリート集団よりも様々な考え方、発想をもつ集団から ランダムに選んだ方が正解に辿り着きやすい、もしくは正解へ近づく。 それを様々な事象から事例をこれでもかというくらいに持ち出して、説明しています。 本書の欠点は集合知を正確だと指し示すために表やグラフを持ち出してその正当性を 示唆していますが、かなり恣意性のある内容や強引にこじつけのある事例もあり、 とても感心できるものではないものも多々あります。 まだ集合知の研究は始まったばかりなので、サンタフェ研究所の猛者が書いた本でも この水準のものかと落胆しています。 参考になるものもありますが、もし本書を読まれるならば十分に注意しながら、 著者の我田引水的な「集合知」の解説を吟味しながら読み解いてください。 それからまた本書を読まれた方からこのレビューを書いてくれる方が出てくる事を 願います。 それは私のレビューだけだと私的バイアスが強く働いてしますからです。 この本のレビューだけではなく、本サイトの☆は様々なレビューから 構成されているものの方がこうやって単一のレビューを書かれているものよりも 精度は必ず高い。それこそ「集合知」ですから。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
多様性の功罪をモデル化,
By
レビュー対象商品: 「多様な意見」はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき (単行本(ソフトカバー))
人の多様性を、認識(観点・解釈・ヒューリスティック・予測モデル)と好み(目的の好み・手段の好み)に区分・定義し、各々の多様性が如何なるものか、どのように働くのか、またそれらの関係はどのようなものになるのか、などについてわかり易いモデルと事例、過去の様々な研究結果を活用しながら、解き明かそうとしている本です。結論としては、能力の高さも能力の違いも何れも同じぐらい重要であること、認識については予測や問題解決という局面では一様であることよりも多様であることの方が効果が高くも低くもなること(分散するということ)、決まりきったことを行う場合には一様であることの方が多様であることよりも効果が高くなること、好みについては目的の多様性は利益よりも損失のほうが大きいこと、などが得られています。 信念先行の書籍にあるような「全面的な多様性の礼賛」とはならない結果が出ていることに価値があるといえます(社会正義の面でどうかということでなく、企業の持続的な成功という観点で)。 企業経営に置き換えてみると、一定以上の能力を持つ人材を採用し、企業目的や価値観を共有した上で、将来予測やイノベーション(問題の発見や解決)という局面では多様性を活用し、そこで得られた解の実践については一様性を活用することが効果的、ということになります。 これは当たり前のことのようであり、またイノベーションに関する良書でも同様の解が得られていますが、学術的に裏付けられたことに価値があるといえるでしょう(著者は経済学者)。 なお、でき得るならば、認識の多様性についても好みの多様性についても、心理学や脳科学・神経科学で得られた知見を取り込んで、より科学的に精度の高いモデルを提唱して欲しかったと思います(認識についてはガードナーの多重知能理論など、好みについてはクロニンジャーのパーソナリティ理論など)。 あと、本書の日本語サブタイトルが「衆愚が集合知に変わるとき」はミスリードします。能力の高さと多様性を同等に重視する必要があると結論づけられている本ですので。
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
多様性の恩恵とコスト,
By くりろ (名古屋) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「多様な意見」はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき (単行本(ソフトカバー))
問題解決の場において、多様性がいかにして集団に恩恵を生むのか、また、問題点は何かということを、さまざまなモデルやデータを元に、丁寧に解説している。一様な集団は、つまるところたった一人とほぼ同じであるため、個人平均以上の結果にはならないが、多様な集団は、さまざまな観点や問題解決法を持つため、結果として個人平均以上の結果を残す。しかし、多様性はこのように恩恵をもたらすが、それには前提条件があり必ずしも絶対ではない、というのが著者の主張である。 また、多様性にはコストが存在するため、その恩恵はコストを考慮する必要がある。すなわち、【多様性の正味の恩恵=多様なツールの恩恵の合計−多様性のコスト】となる。 研究開発に従事する私のような人間には、「多様性」についての本書の考え方は非常に参考になった。 なお、本書の「多様な意見はなぜ正しいのか」というタイトルに若干の疑問がある。本書の内容とやや食い違いがあるように思うし、意訳としてもやりすぎでは?
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