いかにして、新規の顧客を獲得して「売る」か、という営業テクニック論の本はたくさん出ている。特にリクルートOBが出している本などは、営業プロセスや行動意識に重点を置いてあり、「とにかく行動量を増やせ」的なものが多い。つまり、どうやってまず売るか、そのためにどんな行動をどれだけ取れば良いかという、セールスの技術に終始した内容ばかりだ。
しかし、この本の著者は、「営業マンの目的は、顧客と関係を深めるために、顧客をケアすること」と言い切る。
とにかく一度、まず買ってもらうための「売る技術」だけでは意味がなく、長期にわたって顧客に購入してもらう技術、すなわち顧客をケアする技術を確立させろ、というのがこの本の核心。
本当の意味での長期的な視点に立った顧客戦略を取るべきであり、顧客に買い続けてもらえる関係を構築できない企業は、これから縮小する市場では生き残れないし、ましてや、成長できない。
本質を捉えたCRMということになるのだが、これを理解して、実行するのは難しい。
しかし、現在私が所属する会社の経営者にも常々言われている「顧客への目の向け方・接し方」に共通するものがあった。
いかに顧客のためになることを考え続けて、顧客の役に立つ情報や価値を提供し続けられるか。売上は、その顧客への意識・行動の結果、得られるもの。顧客の視点に立って、自分が顧客の一員(経営者)だとしたら何をするか。
顧客をケアするという言葉も新しかったが、結局は、
結果(採算や売上)を先に意識するのではなく、いかに顧客に価値を提供し続けて、信頼される関係を構築できるか、そこに尽きると改めて認識した。
これからの営業・マーケティングの本質を捉えた一冊だ。