ベストセラー『人は見た目が9割』の著者による、言語コミュニケーション論。
前記の著書では、「見た目」という非言語コミュニケーションの大切さを訴えました。
対して、本書では、「声」に特化した言語論を紹介しています。
「見た目が9割」と謳っていたところに、見た目以上に訴えるのが「声」だという論理展開。
前著に魅かれた人を、再び引き込むその姿勢自体が、まず巧みな言語術です。
演出家もやっている著者。
職業柄、様々な人に会い、「声」「言葉」に出会います。
そこで、経験則から分かってきたのは、「声」というのは「個性」であり、
発する人の生き方や考え方を如実に映し出すものだということ。
言われてみればそうですが、「声」というものを完璧に再現する術というものはありません。
そして、1人1人が個性をもつものに、マニュアルや、体系立てた論理がないのもうなずけます。
従って、自然と「声」に関する教えは、口伝や反復トレーニングといったものに頼らざるを得ないようです…
そんな曖昧な世界で定義される、著者による「いい声」「悪い声」の分類。
詳しくは本文に譲りますが、「悪声」といわれるものでも、状況によっては美しく転換してしまうというのが、興味深いところでした。
本書では、「声」が特徴的な著名人の分析にはじまり、「声」のもつ伝える技術・テクニックを解剖。
そこから、どうすれば「いい声」をつくれるかのトレーニングを経て、最期に統括します。
「声」を意識することによって得られる恩恵には、文字通り「言葉以上」のものが含まれます。
それは、周囲に気を配り、耳を傾けることからはじまる言語コミュニケーションの第1歩であり、
同時に、身体や心から発せられる非言語コミュニケーションの基礎を築く助けにもなり得ます。
「聴覚」と「視覚」、どちらもコミュニケーションに影響を及ぼす、大きな要素だということでした。