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「国語」入試の近現代史 (講談社選書メチエ)
 
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「国語」入試の近現代史 (講談社選書メチエ) [単行本(ソフトカバー)]

石川 巧
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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内容説明

入試でみるもうひとつの日本近代史。   試験で現代文の能力を評価することの難しさが、試験問題の多様な歴史を生んできた。明治時代から、戦後、そして現代に至る変遷からみえてくるものとは。

内容(「BOOK」データベースより)

国語入試のなかでも、とりわけ「現代文」という科目は、読解力を問わねばならないため、つねに、客観性と公平性をどう実現するかという難問にさらされてきた。高等学校の共通試験に現代文が定着した大正期から、戦前期を経て、戦後民主主義、小林秀雄と天声人語のブーム、そして共通一次、マークシート化に至るまで、入試問題はどのように国民の言葉=国語を規定してきたのか。その歴史的な文脈を明らかにする力作。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 244ページ
  • 出版社: 講談社 (2008/1/11)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062584050
  • ISBN-13: 978-4062584050
  • 発売日: 2008/1/11
  • 商品の寸法: 18.4 x 13 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 入試現代文における混迷を描く, 2008/10/10
By 
若村さき (神奈川県) - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 「国語」入試の近現代史 (講談社選書メチエ) (単行本(ソフトカバー))
入試科目としての「国語」、特に「現代文」について、どのような文章が取り上げられたか、どのような設問がなされたか、そして、それをめぐってどのような言説があらわれたのか、といった側面を中心に、明治から共通一次試験導入時までの流れを考察したものです。

明治の学制開始以来、高等学校や大学の入試の「国語」は、「古典」の訓詁注釈だったのが、大正10年(1921)、当時現役の著述家の作品(文語ですが)が取り上げられ、設問も語義説明から論旨を問うものが出てきます。そういう設問自体が、実は「読み方」を要請しました。すなわち、

「同じ文章を繰り返し読んで内容を把握するという作業は、あたかも、はるか昔から受け継がれてきた読書法の基本のようにみえるかもしれないが、実は、この時代に登場した新しい読み方だったのである」(37頁)

そして、

「入試現代文が定着したことによって、私たちはただ文章を「解釈」するだけでなく、まるで誰かに向けて説明するように文章を読むことを強いられるようになったということである。」(40頁)

このように入試現代文は、大げさに言えば、「読むこと」のあり方を左右してきたのですが、さらにそれは、読書経験や鑑賞力、教養といった「人物」を判定するものでもあり、また、戦時下においては日本精神を有無を問うものでもありました。

戦後は、民主主義だの戦前の反省だの客観性だの様々なことが入試現代文に振りかかり、混迷を極め、現在にいたります。

たとえば、かつて小林秀雄の文章が入試の常連だったことについては、「わかりにくさを歯ごたえと錯覚し、そのわかりにくい表現を噛み砕いていくことに文章を読むことの面白さがあると信じ込んだ「文学かぶれの教育者」による崇拝意識」と断じています。

そのほかいろいろ興味深いことがあります。国語教育に関わっている方はもちろん、大学入試で現代文を受験した方にも一読をすすめます。

ちなみに、著者は古典文学に疎い方のようで、63頁に、入試問題に出題された近代文学の作品例として「桐一葉」「近代秀歌」「若菜集」があがっていますが、「近代秀歌」は鎌倉時代の藤原定家の作品です。読者はお気をつけて。
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