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「反日」で生きのびる中国 -江沢民の戦争
 
 

「反日」で生きのびる中国 -江沢民の戦争 [単行本]

鳥居 民
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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   中国共産党の反日教育の異常さを最初に指摘したのは、天安門事件の報道でピュリツァー賞を受賞したニューヨーク・タイムズのニコラス・クリストフ記者である。彼は江沢民が国家主席になった早い段階から「(中国は)日本に対する憎しみをかき立てることをやめなければならない」と警告してきた。しかし、江沢民の反日教育に「日本の政府主脳、外務省、マスメディアまでが沈黙を守るのをしきたりとしてきた」と本書はいう。

   中国の反日歴史教育を問題にした書物は少なくない。本書の著者自身が「彼以前に北京特派員はいなかった」と評価する古森義久も彼の著書『日中再考』の中で、国民に日本人を憎悪させるのは中国共産党が正統性を堅持し続けるための基本政策であると言っている。しかし、本書の特徴は、1950年代後半の「三面紅旗」路線の大失敗から説き起こし、失政の責任を他に転嫁する中国共産党特有の「政治思想工作」を際立たせている点だろう。

   1958年に毛沢東が始めた「社会主義建設の総路線」「大躍進」「人民公社建設」は、わずか2年間で2000万人以上の農民を餓死させるという惨澹たる結果に終わった。しかし、党指導部は自らの失政から農民・兵士の目をそらすために「政治思想工作」を展開していく。「貧乏人が貧乏である所以は、地主と資本家の搾取があったからだ」「経済的搾取は国民党、蒋介石の反動政権がやったことである。この反動軍隊を支えてきたのはアメリカ帝国主義である」といういわゆる「両憶三査」で、20年前の「階級苦」と「民族苦」に責任を負わせた。

   天安門事件後に国家主席となった江沢民が、1994年に制定した「愛国主義教育実施要項」はまさしく毛沢東以来の伝統なのである。ソ連・東欧圏の崩壊で、中国の青少年は共産主義に疑問を抱き始めている。中国が資本主義への移行を進めていけば、共産党の統制力は弱まっていくことを江沢民はよく知っている。中国は今ふたたび「政治思想工作」を必要としている。しかし、自由主義経済を志向する党指導部が「階級苦」を教えるわけにはいかない。そこで「民族苦」を教え込もうというのが「愛国主義教育」であり、その唯一最大の標的こそ日本なのだ、と本書は主張するのである。(伊藤延司)

内容(「BOOK」データベースより)

1994年、中国共産党中央宣伝部は1つの「綱要」を定め、これを公布した。幼稚園から大学生にまで愛国主義教育を徹底しておこなうとした「愛国主義教育実施綱要」である。「日本」の文字はなかったが、愛国主義教育とは、すなわち「反日」教育の意味だった。翌95年、江沢民の中国はこれをもとに大々的な「反日」キャンペーンをはじめた。それは中国の若者たちの潜在意識のなかに日本人への憎悪と日本への敵愾心を確実に刷り込んだ。日本の外務省・政府・メディアがそろって見て見ぬふりをしたこの運動は、何のためにおこなわれたのか。毛沢東、〓小平の戦いを手本としておこなった「江沢民の戦争」ともいうべき運動の真の狙いを解きあかし、その結果、中国国内につくりだされた、「義和団事件」前夜を彷彿させる恐るべき状況を明らかにした瞠目の書。

登録情報

  • 単行本: 262ページ
  • 出版社: 草思社 (2004/2/24)
  • ISBN-10: 4794212887
  • ISBN-13: 978-4794212887
  • 発売日: 2004/2/24
  • 商品の寸法: 19 x 13.5 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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52 人中、48人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
重慶サッカー事件の頃読んだ本ですが、反日デモの状況をTVやネットで観察しながら、この本のレビューを書く気になりました。
なぜこんな事になってしまっているのか疑問を感じている方、現在中国にビジネスその他で係わっている方、これから係わる方はもちろん、今や一人でも多くの方に是非読んでいただきたい本です。

日中経済関係の自然な拡大の一方で、政治関係は冷え切ってしまっています。
国民感情としても上海の安全神話も崩れ、中国全土に反日運動が展開されてしまっています。
正に著者の懸念が現実のものとなってしまった言うべき状況でしょう。
「趙薇事件」など、こうした兆候は以前からあったのですが、私達日本人の多くはそうした事に無関心でしたし、実のところ、こんな状況がつい十数年の間の変化によるものであること、その背景に何があったのかを判っていません。
この本はそれを非常に判りやすくまとめた、優れた内容の本です。

著者は、中国人民がごく普通に持ってしまっている反日感情を、江沢民の治世が生み出した、両国にとって深刻な問題と捉えています。
この辺、詳しくは本書を読んで頂くとして、最近の中国政府の対処を見ていて、私個人は彼等が保身のために展開した反日教育の想定外の成果を持て余し、対応に苦慮していると感じます。
こうした解釈は、この本を読まずしてありえませんでした。

そして、この本が本当に優れている所は、中国の反日に対して多くの日本人が抱きつつある嫌中意識を煽る事無く、私達の希望として「胡耀邦が存在したこと」「対日新思考の存在」「発展する隣国が最良の隣国という考え方」に触れ、日本が態度を硬化させるべきではないということを後半で伝えている点です。
アジアの安定と発展、世界経済の成長には日中友好が不可欠であり、私達が中国におもねるのでは無く理解し、日本人としての矜持を持ちつつ冷静に対応する必要性をこの本は教えてくれています。

このレビューは参考になりましたか?
91 人中、82人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:単行本
中国で日本サッカーチームへの大ブーイングが何故起きたのか、
本当の原因がわかりました。
本書に書かれている事実を知らなかった(知らされてなかった)事に
愕然となりました。
日本、中国双方のためにも、本書は一読の価値があると思います。
このレビューは参考になりましたか?
52 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Secondopinion トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
本書を読んで私は愕然としてしまった。1990年代、いかに我々は中国に対して無防備であったか。反日の検索でネットサーフィンしている方には、1930年代の南京事件や1940年代の東京裁判などは、既にありふれたテーマであると思えるが、本書は1990年代の江沢民に焦点をしぼり、新たな視点から中国の問題を検証している点で、画期的である。

著者はサッカーアジアカップでの中国人の蛮行など、本書で見事に予想していたし、このままのお人好し的日本人感覚を続けると、さらに重大な事件を引き起こすと予言している。

中国国民が抱いている不満や怒りを日本人に対する恨みと反感に転化させ、共産党が日本の侵略から中国を救うのだと中国人民を洗脳する事により成功した1990年代の江沢民の政策は、21世紀の日本をトロイの木馬の犠牲者とする可能性を示唆している。しかし、不思議なのはどうして中国駐在の日本人記者、大使たちがこんな状態を黙認していたかである。本書にはその原因と失策が見事に示されている。

最終章では、それでは我々日本人はどうしたらいいかが示されていて、著者の洞察力の鋭さを裏付けているが、こういった感情に陥っている中国人に日本人ができる事は、あまりにも少ないと私は感じた。時代は21世紀となり、中国での言われなき反日感情に触発され、日本での反中感情が高まりを見せる中、我々は片時も中国の暴挙から目を離してはならない事を痛感させられる。

南京事件、東京裁判、靖国問題を一通り理解された方は、本書の視点に戦慄を覚えると思います。是非、一読下さい。

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