簡潔にいえば現代の過食は「冷え」と「血液の不健全化」をもたらし、ガンや脳梗塞、糖尿といった現代病を生んでいる。したがって、「少食」にしつつも「冷やさない食べ物」を意識して摂取すべきである。また「冷え」「血液の不健全化」は過食だけでなく「ストレス」による血行不良、「運動不足」による発熱不足も大きな原因である、という点も押さえておかねばならない。実践においては朝は人参・りんごジュース1−2杯と昼はそばやラーメン、夜は基本的に何でも食べていいしお酒もOK(8分目)。(ちなみに本書にも書いてあるが朝によく動く人、つまり農家の方などは朝は食べるのがよいとする。デスクワークの人向けといっていい。)
そして重要な点は「水の飲みすぎ」は絶対にダメだという点。これは新谷弘実氏と違うところだ。新谷氏は胃腸が全て、という哲学らしい。もちろん石原氏も胃腸の健全化を唱えているが本格的に東洋医学を押さえていることから、「水の飲みすぎ」は「水毒」となり、同時に「冷え」の原因となるとして警鐘をならしている。新谷氏には「冷え」というポイントを押さえてないから大量の水の摂取を勧めるだろう。一方「福田安保理論」という「冷え」にも配慮しながら「交感神経・副交感神経」にアクセントを置いた最近流行りつつある健康法があるが、石原氏と新谷氏よりもいささか説得力に欠ける。というのも理屈ではまぁ納得できるが「交感神経・副交感神経」の図で自分には全くといっていいほど当てはまらないからだ。
さて、この石原氏の本では断食がエジプトやギリシャ、キリストからインドにおいて効果を発揮していたことを教える文献を紹介するだけでなく、近世の医学者や現代の医学者らの大量の実証を紹介し説得する。その説得力は新谷氏や福田安保理論をはるかに超える。私は去年・今年に入って江戸時代の貝原益軒に始まり最近流行の新谷氏を含めた何冊かの健康法を読んだが、その読みやすさと内容からしてこれがベストである。また新書で安い。今年最大の収穫だといってもいい。本当に一読を勧めたい。(ちなみに東京都知事の石原慎太郎もこの断食プログラムの常連である)