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「僕のお父さんは東電の社員です」
 
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「僕のお父さんは東電の社員です」 [単行本(ソフトカバー)]

森達也 著+毎日小学生新聞 編
5つ星のうち 2.7  レビューをすべて見る (19件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,470 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

2011年3月の震災、そして原発事故。放射能漏れが続く中、 一人の小学生の問い掛けが毎日小学生新聞に掲載され、 大人たちが忘れていた視点を呼び起こす。 「僕のお父さんは東電の社員です」 悪いのは東電だけ?  それとも大人たちみんな? 子どもはどんな責任を持つのか?  真面目に働くことは誰かに不幸を招いてしまうことなのか?  東電の社員一人ひとりは真面目な人物が多い。しかし、 それがなぜこんな無責任な悲劇に結びついてしまうのか?  勤勉に働きさえすれば国が豊かになり、個人が幸せに なるという戦後日本がひたすら信じてきた想いにどんな 盲点が含まれていたのか? 全国の小中学生が参加した白熱議論がこの国に生きる 可能性と覚悟を問い、森達也氏の渾身の書き下ろし長文 が、その問いに向き合う。

著者について

ノンフィクション映画監督。ドキュメンタリー作家。『「A」撮影日誌』『A2』『森達也の夜の映画学校』(いずれも現代書館) 『死刑』(朝日出版社)など著作多数。2011年『A3』(集英社インターナショナル)で講談社ノンフィクション賞受賞。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 224ページ
  • 出版社: 現代書館 (2011/11/25)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4768456715
  • ISBN-13: 978-4768456712
  • 発売日: 2011/11/25
  • 商品の寸法: 19.1 x 13.4 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 2.7  レビューをすべて見る (19件のカスタマーレビュー)
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59 人中、52人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 清漣
今回の事故において、東電の責任は大変大きいのです。毎日新聞に投書した小学生は、父親が所属する会社が世間から散々に叩かれてとても悲しかったのでしょう。ですが、みんなが電力を欲しがり過ぎたからじゃん、みんなだって悪いんでしょ!、的な考えは間違ってます。それとこれとは全く次元の違う話です。小学生の幼稚な考えは仕方ないとして、まるで問題をすり替えようとするかのような、この本の出版に関わった大人たち。なんて恐ろしいんでしょう。
このレビューは参考になりましたか?
236 人中、198人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
結局、この本の言いたいことは、
「みんなも原発による利益を受けていたのだから、原発事故の責任を東電問うのは、おかしいのではないか」
ということだと考えられる。

小学生であれば、そのような「論点の誤り」に気づかないのは仕方がないと思う。
しかし、大の大人が、そのような「論点の誤り」に気づかないというのは、
常識的な判断能力が欠けているか、あるいは東電を擁護したいという強い思惑がある、としか考えられない。

現在の日本の法律は、泣き寝入りしてきた、過去の多くの被害者の、血と涙の歴史の上に成り立っている。
作者は、小学生と同様、この国が、法治国家であることの認識が欠けているのだろう。
加害者を保護するために、被害者を犠牲にしても構わないという思想は、私にはどうしても理解できない。

現在の日本の法律においては、
原発に限らず、自動車の運転、医療行為、など、
「危険ではあるが、社会的に有用な行為」が、
一方で、萎縮することがないように、
他方で、「有用」の名のもとに、被害者が泣くことがないように、
「過失」とは、
ただ単に「うっかりしていた」といった、「主観的」なものではなく、
結果を予測・回避できるにも関わらず、結果を予測・回避しなかったという「客観的」なものであり、
このような、「客観的な過失」がある場合にのみ、責任を負うこととされてきたのである。

これを東電の場合についてみると、
「原発事故調中間報告」においても指摘がなされているように、
(1)
東電の内部では2008年、従来の想定の高さ5.7メートルの津波を大きく上回る最大15.7メートルの津波が試算されており、そのことは貞観地震・巨大津波を研究していた専門家らが危険性を指摘していたものだ。
にもかかわらず、東電幹部は『そのような津波は実際に来ない』としてきた。
(2)
全電源が喪失しても原発には2、3日、冷却を保つ非常用冷却装置が備わっていたにもかかわらず、作動状況を誤信したり、停止したりしたミスがあり、また、運転員は訓練も受けていなかったため、ミスが重なり、メルトダウン(炉心溶融)や水素爆発まで進んだ。
(3)
3月11日に電源喪失で自動的に作動する「フェール・セーフ(安全確保)」システムにより、1号機に冷却水を注入する非常用復水器の注入弁が閉じた。ところが東電のエンジニアは、この注入弁の自動閉鎖を知らず、それに気付くまで相当な時間を浪費した。また気付いた後も、同原発のコントロールセンターの上司にすぐに報告することを怠っていた。一方、コントロールセンター側も冷却装置が作動していないことを示すパネル表示を見落とし、1号機の崩壊を早めてしまった。

など、過失を基礎づける事実は、挙げればきりがないほど多くあり、
東電に「過失」があったことは「明らか」である。

にもかかわらず、
この本においては、
「みんなも原発による利益を受けていたのだから」とか
「東電の社員にも家族がいるから」
といった、小学生レベルの発想に、
大の大人が同調していることが恐ろしい。

殺人事件について、
「犯人ががみんなに利益を与えていたから」
「犯人にも家族がいるから」
といった、理由で
犯人が無罪となるような国にならないことを、心から祈りたい。
このレビューは参考になりましたか?
32 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By INAVI トップ1000レビュアー
この本で紹介される手紙の取捨選択について、森達也さんがどの程度関与しているのかが知りたい。

言わずと知れた「A」シリーズの森達也が、子供達(と子供のような感性のオトナ)が考えた「東電と原発」についての手紙と向き合うというつくりは、明らかにノンフィクションのルポルタージュであるはず・・・

なんだけど、巻末の森の文章は、正しく子供に向けてのアジテーションにしかなっていない。
「みんなが悪いんです」という少年の呼びかけに、「僕ら大人が謝るから」と切り返すのは、大人のやり方として拙いだろう。

なので、森達也の手紙はスルーして、子供の手紙を読んでいて、気になったことを何点か。

1.おそらく、毎日新聞の他で記事になっていたからなんだろうけど、子供達の多くが、ひまわりを植えることと床とかを叩く発電をやたらと推奨している。
なんか微笑ましいが、子供は目の前にある情報に薄いフィルターと判断力で喰い付いてしまうことに気付かされる。それは子供だから当然なのだが、オトナ達も「ハッソウデンブンリ」「コウイキウンヨウ」とかマジックワードに釣られている構図とダブってもいる。

2.「勉強して この問題を解決したい」という何やらAの科学者部隊を彷彿とさせる発言が結構あること。
この部分は、何ら勉強することなく原子力を受け入れてきた大人への痛烈な皮肉になっているのだが、官僚とか東電幹部とか閣僚とか、本件で凹凹に叩かれている皆さんこそが、「勉強」しまくった人達なんだよ(だから、「勉強すること」ではなく「何を学ぶか」を考えよう)と、子供達に教えてあげたい。

3.「みんなで反省しよう」という学級会的な呼びかけに次々と賛同者が出るところも、2同様に、Aの世界にダブってくる。
そして、これは、何も考えることなく「原子力は安全」「東電に任せておけば大丈夫」としてきた大人が「原発は絶対危険」「東電許さない、滅ぼせ」と180度の転向をするのと全く同じ構図という点は読み取るべきだろう。

要するに、この毎日こども新聞なんてもんに投函する偏差値や目的意識の高い子供の拙さは、切り捨てるのは容易いんだけど、その言動が、実はオトナ達の写し絵になっている構図こそが、本書で強く感じられましたということ。
そして、その構図をAはAでも、アトムのAとして森達也さんには切り込んでもらいたかった。

「誰が悪い」とは、戦争でもAでもフクシマでも、目の前に惨事と犠牲者がいる以上、誰にでも言えることだ。そこにおいて「東電だけが悪いのではない」「東電が悪い」「みんな悪い」「オトナが悪い」と論じ合うことに大きな意味はないだろう。「何が間違っていたのか」「どこで間違えてしまったのか」「どうしたら間違いを繰り返さなくなるのか」そこまで踏み込んでもらいたかったというのは、過大な期待だったろうか。
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