教育社会学を専門とする著者は、多くの若者へのアンケートを元にして日本型のフリーターやニート(本書の用語では「使い捨てられる若者たち」)を、学力を基準に「迷路で迷う」「一時的仕事として」「迷路にたどり着かない」の3つに類別し、それぞれの若者へは違った対策が必要だと論じていく。各章ごとに論点がばらついていてタイトルとあわない箇所も見受けられるが、欧米の事情も参考にして、日本独特の高学歴ながら使い捨て的仕事につく若者についてその原因を考察し、学校から職場への移行がうまく機能していない日本の教育制度の問題点を指摘する。
一番印象に残ったのは、現在の日本人には同じ社会に暮らしている人々、特に若者たちに対する思いやりや共感が不足していて、人材は育てるべき資産ではなく人件費のかかるコストとしか認識されていないのでは?という意見だ。著者の若者に対する暖かい視線を随所に感じられる点がよかった。