「新世代のチベット僧」という部分に惹かれ購入しました。ヨンゲイ・ミンゲール・リンポチェというチベット僧の名前は、まったく聞き覚えがありませんでした。巻末に「1975年生まれ」とプロフィール紹介があるので36歳という事が確認でき、たしかに新世代です。
本書は仏教の教えが書かれているとは気づかないような読みやすい小慣れた訳でまとめられていて、まったく仏教を知らない読者でも容易に読み終えることができるもののように感じます。あまりに容易に読み進めることができるために、どこに仏教的なものがあるのか見つけるのが困難かもしれませんが仏典などに照らしてみると「この辺りのことかな?」と、おぼろげながらも仏教をベースにした内容だと察することができました。とても読みやすいです。
子供の頃から科学にも興味を持っていたというミンゲール・リンポチェは、ダライ・ラマ14世の協力で実現した欧米科学者との共同研究機関「心と生命研究所(マインド・アンド・ライフ・インステチュート)」での瞑想実験などにも協力していたチベット僧の一人だということも本書を読んで始めて知りました。
仏教瞑想の科学的研究を行ったのはアメリカ人リチャード・デビッドソン博士。チベット僧たちが“ある瞑想”を行った際に彼らの出す脳波が驚異的な数値のために科学者も驚いて計器の故障を疑ったそうです。この話は、ミンゲール・リンポチェと同じく瞑想実験に参加協力したフランス人チベット僧マチウ・リカール氏の著書『
Happiness幸福の探求』にも書かれていますし『
脳地図を書き換える』などの文中でも詳細に述べられています。
本書では「瞑想の強み」「瞑想によって脳の可塑性(脳は老人になっても日々進化できる)が判明した」ということが紹介されていて、その他には普段普通に生活している人たちが瞑想をどのような場所で行えばいいのか、どのような気持ちで行えばいいのか新生代ながらの新しいたとえ話(映画「マトリクス」なども用いて)で説明されている所が、面白い試みで同年代としても好感が持てます。