「『人間復興」の経済を目指して』を読みました。
(城山三郎X内橋克人著、朝日新聞社)
なかなか考えさせる、刺激的な本でした。
いかに今の日本の社会が人間を使い捨てにする社会になっているかということ事を、自分の身の回りに起こっていることを改めて考えてみて感じました。
特に参考になった項目は次の所です。
第一章
大失業時代を生きる
・ なぜ北欧諸国はわずか2,3年で不良債権処理を終えたのか
・ 「働かせる自由」ではなくて、「働く自由」を守るために
・ 風力発電は雇用の場としての基幹産業
第二章
「敗者復活」のある社会を
・ 農産物を自給できるのになぜ輸入にたよるのか
・ 大原孫三郎が築いた“カルチャー”のすごみ
・ 組織を離れ、「無所属の時間」で生きるためには
第三章
昭和恐慌と平成恐慌
・ パンを買うお金の復権を訴えたミヒャエル・エンデの遺言
・ 経済の「外側のエンジン」を捨ててはいけない
・ 「人間復興」の経済を目指して
中から一つだけ紹介しますと
「外側のエンジン」というのは飛行機のジェット・エンジンは翼についているように見えるので、あんなものはムダだという意見が出かねないが、そうすれば勿論飛行機は落ちてしまいます。
修正資本主義に見る「安定化装置」です。
内橋さんは「いま効率礼賛一辺倒の経営者たちで世はあふれるようになり、短絡的な制度改革という名のリストラの大流行です。」とし「「福祉や年金制度、健康保険など。それらがあるおかげで、いまのような経済危機のなかでも何とかパニックに陥ることなく済んでいる。」と指摘しています。
「かつてトヨタ自動車が終身雇用制度を捨てないとの理由で格付けを下げたアメリカの格付け会社があったほどです」「われわれはけっしてエンジンは捨ててはならない。でないと恐慌は繰り返される。それが歴史だと思います。」と結んでいます。
3年前に出た本ですが今まさに毎日起こっていることの意味をこの本に導かれながら考えてみたい。是非竹中平蔵さんにお勧めしたい。(5月17日)