著者がさんざん好き勝手なことを言っていられるのは大学教授という特権的な地位にいるからだ、などと皮肉る人もますが、 これを読むとそうでない(というか順序が逆である)ことがよく分かります。「組織の中で人間嫌いが(比較的)許されるのは、次の場合である。(1)仕事ができること。(2)勤勉であること。(3)誠実であること。(略)人間関係でつまずいているほとんどの青年たちは、このことを実行していない」と言い、自らも、「(ウィーン帰国後に)私はきわめて社交的であった。でなければ、私は地位が獲得できないからであり、地位が獲得できなければ、自分のしたいこと(哲学)ができいなからである。」と必死に努力してきたことを明かしています。この「人間嫌い」というのは、著者ほど極端ではないにしろ、結構多くの(少なくとも本書を気に留めるような)人が持っている感覚ではないでしょうか。本書は、そんな人がこの生きにくい社会とどうやって折り合いをつけていけばよいかを、正直に具体的に語ってくれます。