日本を襲う「人口減少」、社会保障、国の競争力、景気など様々な分野で、少子高齢化により最も核となる問題であろう。本書で、様々な角度から精査された検証データーは評価されるものと思う。あとがきにもかかれているが「人口減少経済」の共通項は「多様化」との結論のようであるが、今後は非常に難しい世の中になるのではなかろうかと予想できる。その部分に対し作者がとても楽観しているようで、現場分析としては疑問がとても多い。就業においてはライフサイクルの多様化としてスペシャル(特別)な人材、働かない自由との表現があるが、現状の就職率、正規社員と非正規社員、失業者と、今後増々多様化というより、企業と就職希望者(従業員)の間で、雇用に対する差別化が厳しくなってくるはずで、そもそも多様化といった表現は正直適切ではない。まさに差別化ではないか。外国人の労働者採用をあまり考慮に入れていない部分は、何故なのであろうか?今後、東京圏、阪神圏といった大都市圏で人口減少によって、経済力が下がり、一部の地方(鹿児島、宮城など)はそれほど心配がないようなことを書いているが、そもそも大企業の中心は上記大都市中心であり、地方都市には世界的な競争力に対抗できる企業(職場)が少ないわけで、ただでさえ現状の日本の競争力、成長性が乏しくなれば、企業の選別化が進み、正直地方都市は厳しくなろう。その点で、現状の高齢者、団塊の世代といったお金に裕福な世代が多い都市の方が、個人投資、所得移転といった意味では、次世代のビジネスも可能なのでははなかろうか。西欧諸国のように田園、農業のビジネスにもっと特化すべきと、教科書的な導き方をしているが、そもそも他の産業と比較し農業に新規参入できにくい日本のシステムがあるわけで、抜本的な解決がなければならないし、納得いかない。作者が思っている以上に、地方都市の疲弊化はもの凄く、地域格差が非常に高まっている現実と、大企業が海外に進出するスピードはものすごく、国内内需型企業の今後の行方を考えた場合、現実味に欠けた部分が多いと感じてしまった。残念である。