刺激的なタイトルではあるが、このことを実感している人も多いのではないだろうか。
また、本書を読めば実感が確信に変わるかもしれない。
本書は、ハーバードビジネスレビューに掲載された交渉に関する記事を集めたものである。基本的に各論文は独立しており、全体として体系的にまとめられているというわけではない。一見脈絡がなさそうではあるが、扱うトピックは多岐にわたっているため、本書が対象としている読者には逆に適している形式だと思われる。
内容は、ハーバードビジネスレビューの記事と言うこともあり、入門者向けというよりも、エグゼクティブ向け、ある程度仕事ができる人向けになっている。そのため、初めて交渉に関する本を読む場合にはあまり勧められない。
特に、ロジャー・フィッシャー著の「ハーバード流交渉術」(TBSブリタニカ)に関しては、ほとんどの記事において既知のものとして扱われている。まだ読んでない場合は、本書より先に読んでおくことをお勧めしたい。
残念な点として、日本語訳が少しわかりにくいものがいくつかあった。ただし、理解できないというほどではないため、気にしなければ問題ないだろう。
全体としては、交渉学の入門書では扱っていないような高度な(応用的な)トピックが多く、大変満足できる内容であったと言える。交渉スキルを今よりももっと伸ばしたい人にお勧めである。