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「中国問題」の核心 (ちくま新書)
 
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「中国問題」の核心 (ちくま新書) [新書]

清水 美和
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

建国60周年をむかえた人民共和国に、搾取を否定した「赤い」理念はもはやない。「人民」不在で進められる改革・開放が、陰惨な矛盾を社会にもたらし、国家の基盤が激しく揺らいでいる。その制御をもくろむ共産党指導部は、軍備を増強してナショナリズムを強め、国家の凝集力を高めようとするが…。毒ギョーザ事件、新疆動乱、尖閣諸島、米国との接近。日本人の想像も及ばない大国で、いま、何が起きているのか。中国各地を精力的に取材しつづける実力派ジャーナリストが、共産党政権の内部事情を精確に分析し、現代史的な視点から「巨龍」の生態を描く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

清水 美和
1953年名古屋市生まれ。京都大学経済学部卒業。中日新聞社(東京新聞)に入社し、北京語言学院留学、コロンビア大学東アジア研究センター客員研究員、香港特派員、北京特派員、中国総局長、編集委員を経て、現在は東京新聞論説委員。2003年、『中国農民の反乱』によりアジア太平洋賞特別員を、07年には日本記者クラブ賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 222ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2009/09)
  • ISBN-10: 4480065067
  • ISBN-13: 978-4480065063
  • 発売日: 2009/09
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 中国共産党の最近の内部闘争がわかる。胡錦濤政権の不安要素を描く。, 2010/3/7
By 
A-san (台北市) - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 「中国問題」の核心 (ちくま新書) (新書)
最近の中国の権力闘争の内実を分析した書。胡錦濤が最高権力者になる以前の共産党内部の抗争と実際に胡錦濤が直面した闘争が描かれる。

各章間の連関性は比較的ゆるく独立した印象を受けるが、いずれも胡錦濤個人もしくは同政権に結び付けている点で、かろうじて統一感を保っている印象だ。

2008年3月の台湾総統選挙で国民党の馬政権が誕生したのは、台湾との和解を目指すようになった中国の方針転換の成果だと著者はいう。

「『三胡』継承と断絶」の章が最も出色だ。「三胡」とは、胡耀邦、胡啓立、胡錦濤の3人を指す。なお、胡耀邦は完全な名誉回復には至っておらず、選集や公式伝記も出版されていない。

「今も続く『天安門』の問い」の章では、トウ小平が断行しようとした政治体制の改革を、「二人がいれば天が崩れても安心だ」といって胡耀邦、趙紫陽の腹心に任せたことが書かれている。その後は両者ともトウにより失脚させられたことは言うまでもないが、中国では「胡耀邦、趙紫陽の名を知らない若者も珍しくない」という。

天安門事件後に、トウは教育が間違っていたと考え、文化大革命までも隠蔽し党の「無謬神話」を再建することを目指したという。効果は予想以上の効果を上げ、「西側」の中国への侮蔑や批判に激しく反発する怒れる青年を生みだし、大規模な「反米」「反日」「反仏」運動を出現させた。北京五輪開幕式は「愛国主義」の象徴だという。

江沢民時代の「社会主義市場経済」の美名で進んだ企業改革は、「党が政治、経済の一切の権力を集中する体制の下で、党幹部による国有財産を『瓜分(ウリのように分け合う)』する利益の配分にほかならなかった。」

2003年5月に周正毅を摘発し、江沢民との取引により中央軍事委主席を手にしたこと、2006年9月に本丸の陳良宇党書記を拘束し権力の座から追い落としたことが、最終的に支持者の警戒を招き、腹心の李克強を次期総書記の筆頭候補にすることができなかった。
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15 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 中国問題を理解して、次世代の「日中友好」を模索する, 2009/10/25
レビュー対象商品: 「中国問題」の核心 (ちくま新書) (新書)
中国は格差、失業、民族、公害などでは日本よりはるかに大きい問題を抱える一方で、ドルの外貨準備では既に日本を抜き、そしてGDPでも日本を抜く。

尖閣諸島の実効支配への挑戦は続くだろうし、ガス田問題も簡単には進捗しないと見たほうよいのだろう。一方で、対外的な覇権については、以外に慎重な対応をとリ続けており、国内の不満を外に向けるという単純な構図でもない。

愛国教育による反日思想の一方で、比較的格差の小さい調和型の社会をつくりだし、西洋の先進技術や文明を取り入れながら伝統文化を発展させてきた同じ東洋に国である日本に学ぶ姿勢もある。

このように複雑でわかりにくい中国情勢に対して、筆者は、中国で起こっていることを感情に押し流されず事実に則してみて、そのうえで適切な見解を与えるべきと主張する。さらに、日本の対応として、「付き合いやすい国々」と価値観を頼りに中国を牽制することを戒めている。

単純ではない中国問題を理解して、次世代の「日中友好」のあり方を模索するための一助になる本と思われる。
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5つ星のうち 4.0 歴史的な流れを踏まえた好著だが, 2011/6/11
レビュー対象商品: 「中国問題」の核心 (ちくま新書) (新書)
 中国の権力闘争の歴史的流れや背景を改革開放の頃まで遡って記述していて中国問題を分かりやすく把握出来る。ただ、「核心」を把握するには、中国を裏から呪縛する「マルクス=レーニン主義、毛沢東思想」の持つ全体主義性に対する評価(批判)が必要だったのではないか。全体主義的共産主義の持つ抑圧性が、労働者・農民への抑圧・弾圧となり、新自由主義的な経済発展の条件を整えた。憤青といういびつな若者による表出もまたその結果である。その点は不満であったが、同時にエネルギー問題、失業問題の深刻さ、汚職摘発も政争の一環として利用される中国の権力闘争の異常さは分かりやすかった。共青団、上海閥、長老の三つ巴の争いの構図は短・中期的な中国を予測するのに大事な構図であろう。それにしても、こういう国家じゃあ、民衆は暴力的、殺人的表出でしか自らの要求を貫徹出来ないと強く思う。毛沢東の小論文「むちゃくちゃだとすばらしい」を思い出しながら読んだ。この小論文は農民が土豪劣紳をなぶり殺すことは素晴らしく、これに対して無茶と批判するのは反革命と主張している。今の中国にも当てはまるのではないか。中国(政府)との友好は、一つ間違えば労働者・農民殺しに加担するのではないか。
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