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最も参考になったカスタマーレビュー
62 人中、52人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
入れ替え不可能な”絆”を信じて,
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レビュー対象商品: 「世界」はそもそもデタラメである (ダヴィンチブックス) (単行本)
ダヴィンチというやわらかめの文芸系雑誌で連載されていた、宮台真司氏の“映画評”………もとい、映画を題材にした社会学と哲学のお話をまとめた本です。連載当時のものに加筆されてるようです。映画評といいながら、映画の話よりも社会学や哲学についての話が多いです。取り上げられてる映画も、前作の『絶望・断念・福音・映画―「社会」から「世界」への架け橋』と比較すると、ちょっと偏りがある感じもします。好きな人じゃないと観にいかないような韓国映画とか、DVD入手ができないコンペ出品作とか、普通の人が映画館で観にいかないような映画が、前作に比較すると多いかなと感じました。 一応、取り上げられている映画は、本文内で言及されているものも含めて8割以上観ました。そうしたら、………………心を病みました………………(汗) 「ボーン・アルティメイタム」とか「フラガール」みたいなヒット作も取り上げられているんですが、もちろん本文中では重たい切り口から語られてるし、「シルミド」とか「ミスティック・リバー」なんかは、観るだけで十分疲れちゃいますから!!それぞれを時間を空けてならいいんですが、一気に観るものじゃありません。 おそらく、映画にかぎらず、社会学・哲学・文学なんかを学ぶ人にはとてもいいガイドになると思うし、映画制作にたずさわる人や、文芸系の人にはとても受けると思います。こういう切り口で映画を語ることができると知るのはとてもよいこと。読んだだけで、頭が良くなった気分になれるのもおいしいところ。 でも、実際にこれを普通の社会人が、映画を観るときの参考にできるかっていったら、やっぱりちょっと違うのかなと思ってしまいました。 宮台さんの中では、映画を観る人たちのレベルを底上げして、「恋 空」とか「セカチュー」じゃなくて、「21グラム」や「亀虫」みたいな本当に良い映画がもっとたくさんの人に観てもらえる環境を作りたいんだろうなと思います。 でも、日常的に映画を観る習慣がない、休日のものとして映画を観る平均的日本の社会人が、お休みの日にわざわざ、観た後に疲れちゃうような映画に足を運ぶかなぁ…。私だったら、「デトロイト・メタル・シティ」とか観ちゃいます。 だって、ただでさえ仕事でくたびれてるのに、休みの日にわざわざ滅入るものや、観た後に疲れるものを観なくてもいいじゃんって思っちゃう。たまぁに気が向いてDead presidentsとかMenace II Societyとか観るときは、「観るぞ!」って気合を入れて観るけど、エンドロールの頃には、やっぱり思ったとおり疲れてる。 …とネガティブなことを書いてしまいましたが、これを読んで、宮台さんはとてもロマンチックな人なんだなって思いました。いろいろな映画をとりあげて話をしているけれど、何度も何度も繰り返されるのが、「入れ替えの不可能性」についての話。 社会学的には、人っていくらでも入れ替えがきくことになってます。Aさんの妻がB子さんなのはたまたまで、B子さんがいなかったらC子さんがなってたって具合に。仕事なんかはすごくわかりやすいけれど、人っていくらでもリプレイスがきく。 でも、宮台さんは、入れ替えの利かない、代理じゃ意味がない、Uniqueな特別な絆があるということをとても強く信じてるんですよね。だからロマンチストだなぁって思います。 何かにつけて、「どうせ誰でもいいんでしょ?私の代わりはいくらでもいるもの」と投げやりになりがちですもんね、今時の私たち。でも、たぶんあるんです。特別な、その人じゃないといけないっていう絆。というか、あると信じられなければ、誰もが投げやりになってしまう。彼の言ってる”承認”の話って、難しい言葉でいろいろと語られているけれど、誰かにとって自分が特別だと信じられること、そういうことなんだと思います。
29 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
デタラメは、肯定のことばの気がする。,
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レビュー対象商品: 「世界」はそもそもデタラメである (ダヴィンチブックス) (単行本)
「14歳からの社会学」を購入したときに、本書は「14歳からの社会学」の上級編です、という著者の宮台真司さんのポップを見て、一緒に購入しました。ダ・ヴィンチで連載されていた、一見、映画評論のようですが、映画について語っているようで、実は、わたしたちの生きている<社会>や<世界>、そしてそこを生きる宮台氏自身について、語られていました。上級編というだけあって、難解なところもありましたが、難しいことをかんたんに偽装して語るのでなく、難しいことを難しいまま言葉を尽くす宮台氏の姿勢に誠実さを感じましたし、より深く理解できそうな気がしています。(すみません、もう少し精読しないと、言い切れない……) ただひとつ、わかった気がすることは、タイトルにもなっている、「デタラメ」という言葉、これは、世界への自分への、とても強い肯定の言葉なのだということ、だ。
28 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ミメーシス(感染的模倣)⇒ 内発性,
By 沈思黙考 (兵庫県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「世界」はそもそもデタラメである (ダヴィンチブックス) (単行本)
「<システム>が与える豊かさ・・・」「豊かになったから・・・楽しめる」「<システム>が全域化して<生活世界>が空洞化する」ポストモダン(後期近代)。 「「入れ替え不能な我々のために、入れ替え可能な<システム>がある」というより、 「入れ替え不能な<システム>のために、入れ替え可能な我々がある」と感じられる社会」では、 「人は、<システム>にとって都合のいい存在へと縮小する」他なく、 「社会が良くなっても人は幸せになれない」・・・。 「マックス・ウェーバーは・・・合目的性の最終的な目的が単なる社会システムへの適応に過ぎないことに、 近代の閉塞を見出し、悲観した」 「不安回避の手段」に堕する目的合理性・・・。 「何に準拠して何を批判すれば良いのかを規定困難にする」ポストモダン(後期近代)。 「社会成員の多くは、常に既に<社会>の外に拡がる<世界>を希求している」 「「何でもあり」の社会。 しかし「自分に」何が起こったのかは心理的キャパシティに収まる範囲でしか明らかにならない」 「<世界>は本来無意味なものだ。 私たちの原罪ゆえに、<世界>が喜怒哀楽を享受し得る意味を帯びて現前するのである」 「意味とは、否定を経由して、いつでも選び直せるように選択肢をプールすること(ニクラス・ルーマン)」 「<世界>の未規定性(=「世界」はそもそもデタラメである)へと開かれた態度こそが人に力を、 縦の力を、内発性を、与える」 他者との出会いが、「新しい自明性(ありそうもなさ)」を信頼させる。
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