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22 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ウチとソト,
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レビュー対象商品: 「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱 (単行本)
子供時代に戻って、何か一つ自分にアドバイス出来るとしたら、かなりの確率で「ガンダムを見とけよ」とアドバイスすると思う。なぜ見なかったのか記憶が定かではないが、ガンダムを見ていなかったせいで、話題についていけなかったという経験を、これまでに何度となく経験している。それがプライベートな場だけならまだしも、時折り、打ち合わせの場などでも出てくる。子供のころに、公文式などやっている場合ではなかったのだ。一方で会社に入ってしばらく経ってから、『ONE PIECE』なるものの存在を知る。こちらは二巻か三巻くらいまでは読んだ記憶があるのだが、ゴムゴムの実を食べたところあたりで挫折。この漫画を読むには、あまりにも心が汚れてしまったらしい。 そんな自分にとって、本書の登場は福音であった。双方の漫画のことのみならず、その読者層の世代としての特徴も書かれている。ガンダム世代にも、ワンピース世代にも、はたまた狭間の世代にとっても、膝を打つような記述が多いのではないだろうか。 ◆本書の目次 第一章 ワンピース世代論、ガンダム世代論 第二章 『ONE PIECE』とワンピース世代 第三章 ガンダム世代にとってなぜワンピース世代の若者は理解しにくいのか 第四章 『機動戦士ガンダム』とガンダム世代 第五章 日本社会の矛盾とガンダム世代の苦悩 第六章 ワンピース世代の反乱 多くの人にとって13〜19歳のティーンエージの時に見ていたアニメが、その後の行動規範を決定づけるという。自分の世代で言うと、キン肉マンからスラムダンクあたりまでだろうか。日本人の思想は、ある意味において漫画によって形成されているという側面がある。年齢で分ける危うさはあるが、会社の中を見回しても、多くの人は概ね下記の二つのタイプに分類されるとみて間違いないだろう。 ◆ガンダム世代の特徴 1960〜69年生まれ キーワードは「組織への従属」「人類のニュータイプへの進化へのあこがれ」。「個人の感情は押し殺してでも組織に従うべきだ」という考え方。タテ社会という枠組みの中で生きているのが特徴。 ◆ワンピース世代の特徴 1978〜88年生まれ キーワードは自由と仲間という価値観。「自分で正しいと思うことを判断する」という行動規範。ヨコ社会という枠組みの中で生きているのが特徴。 本書においては、この二つの世代がなぜ分かりあえないのかを分析しながら、大胆にも日本の未来予測へと話を展開している。しかし、注目したいのはその差異より、共通点にある。双方の世代が、その方向がタテであれヨコであれ、ムラ社会というものを強く意識しており、「ウチ」と「ソト」を明確に切り分けているということなのである。 このような問題は、いつの時代にもあったことなのだろうと思う。経済が右肩あがりの時代には水面下におさまっていたものが、下降局面においては隠しきれずに表面化してしまうということなのだ。この状況を打開するには、「ウチ」と「ソト」を分けない世代、すなわちソーシャルネイティブの台頭を待つしかないのだろうか。
20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
タイトル負け気味。,
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レビュー対象商品: 「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱 (単行本)
ワンピースとガンダムという象徴的なアニメを対立軸とし、両作品と世代を比較していく観点は面白かった。が、思ったより両作品とその世代の結びつきがどう影響を受けたかが曖昧だった気がする。両作品とも好きな人間としては作品と世代を深く掘っていって欲しかったが最初の2,3割だけで残りの7、8割は両アニメと関係ない経済批評などで占められていたのが残念。
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
きわめてありうるシナリオ,
By gilles-nao (東京都港区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱 (単行本)
本書のベースは「あ、そう、あるある」と実感できる、優れた洞察に基づく「世代論」である。「組織は理不尽なものと理解しつつも、そこに所属することをよしとしている世代(1960〜69年生まれの「ガンダム世代」)と、「組織への所属よりも仲間への所属をよしとしている世代(1978〜88年生まれの「ワンピース世代」)との間の、前提とする価値観が異なるゆえコミュニケーション・ギャップが描かれている。そういう意味では、私も「ガンダム世代」なんだなぁ。私自身は、実はあまり「ガンダム」好きじゃなかったんだけど。特に「ガンダム世代」の中で、自らが無自覚に身につけてきた「組織の矛盾を受け容れる」「表面的に正しいことに一旦従う」「口に出せない心を感じ取ってもらうことを相手に期待する」といった価値観のいずれかに思い当たる方は、これを機に、 自ら「ガンダム世代」である著者の易しくて優しい案内に委ねながら、このコミュニケーション・ギャップが生まれるメカニズムを理解されるとよいだろう。 ところで、本書は「『ガンダム世代』のための易しくて優しい案内」で終わらない。この二つの世代がコミュニケーションをこのまま成立できないことによって陥るかもしれない日本のリスク、すなわち「貧困の再分配」がもたらす「世代間闘争」のシナリオプランニングこそが、本書の質が高く、面白く、それゆえとても怖いところである。 第六章で書かれている「2012年 不況」「2015年 破たん」「2017年 格差」「2020年 二重政府」の4つのシナリオは、ショッキングな内容ではあるが、残念ながらこれらのシナリオの中にほとんど誇張はなく、ファクトをロジカルに整理すると導かれる「きわめてありうるシナリオ」である。 これら4つのシナリオに対して、「ガンダム世代」は、「『寒い時代だと思わんか』とつぶやきながら、日本社会が寒い時代に突入するのを局地戦に手を尽くしながら無為に過ごしている」場合ではないようだ。残されている時間は、思っていたよりも少ない。
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