質問力、というテーマで調べていて、手に取った。著者の堀氏は日本ファシリテーション協会の会長で、会議関連の著作が多い。
従って(というわけでもないだろうが)本書における「質問力」とはロジカルシンキングではなくコーチングに分類される方法であり、ビジネス場面における会議や面談において、とくに上司が部下からどのように「ホンネ」を引き出すかがテーマである。
ホンネを閉じ込めているのは上下関係などの社会的役割の概念(=思い込み)や感情であって、多分に心理的なハードルである。であるから、心理的なハードルを下げるテクニックが本書でいう「質問力」である。いわゆるEQの高い人は、こうしたテクニックが自然に使えるのだろう。EQ系のスキルは一朝一夕には身につけられないが、例えば、面談のときは正面に座らず90度の角度で着座する、といったような物理的な工夫も紹介されていて、訓練なしですぐに使える方法もあるので実用的だ。
いちばん耳が痛かったのは、このフレーズ。
「飲み会は多くは目上の人のストレス解消の場であって、コミュニケーションの場ではありません。
(中略)ホンネを語るのを許されるのは上司の側だけです。」p23
いわれてみればまさにそのとおり。厳に肝に銘じておかねばなるまい。