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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
音楽の現代を考えさせられる,
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レビュー対象商品: 「クラシック音楽」はいつ終わったのか?―音楽史における第一次世界大戦の前後 (レクチャー第一次世界大戦を考える) (単行本)
第一次世界大戦(1914-1918)を境に大作曲家たちは昂揚感のある曲を生み出せなくなってしまった。ラヴェル、リヒャルト・シュトラウス、シベリウス、ラフマニノフ、プッチーニなど、現代でもよく演奏される作曲家の曲は第一次世界大戦以前に作曲されたものである。ドビュッシーは戦争中は極端に右傾化し、終戦直前に亡くなった。クラシック音楽を享受する人々が変わる契機をもたらしたのが第一次世界大戦後に発展したレコード産業であった。音楽が社会によって作られ、社会を音楽が作るという意識も戦後のものである。第一次世界大戦というキイ・ワードで音楽史を見直す作業は始まったばかりだという。この岡田氏の「試論」を読んで常に想起させられるのは、現代の音楽事情であった。クラシック音楽も軽音楽も大量消費され、分極化され、大衆のなかに拡散して、多様化していく「音楽」の現代。流行を追いかけても、なにも残らない世界がある。音楽という芸術はもはや消えている。オペラもいまや倒錯的な興業である。しかし、それを頽廃と思うのは前世紀的な価値観でしかないだろう。美術という芸術も消えた。マネー・ゲームとなった絵画になんの意義もない。世界から「理想」が喪失したのだ。現代の不幸も幸福もおそらくそこから始まる。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
西洋音楽史の断層,
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レビュー対象商品: 「クラシック音楽」はいつ終わったのか?―音楽史における第一次世界大戦の前後 (レクチャー第一次世界大戦を考える) (単行本)
本書では”「クラシック音楽時代」の「終わりの始まり」”としての第一次世界大戦前後の音楽の変質について論じられており、 そのポイントとなる出来事として以下のことが指摘されています。 1)前衛音楽の登場 2)アメリカのポピュラー音楽の普及 3)レコードの一般化 4)音楽における国際主義 5)音楽の政治化 また当時のドイツの音楽思想は、 「音楽は社会が作る/音楽が社会を作る」という音楽によるユートピアを夢見る戦中のベッカー 音楽の「社会を変える力」への信憑を失い「第九」に人民集会の偽善を見る戦後のアドルノ さらに享受するだけの芸術音楽の価値を否定し参加型の芸術創造を唱えるベッセラー と紆余曲折をたどり、最後はユーゲント運動を経由しナチスにつながっていくとのことです。 意外にも第一次世界大戦と音楽史を結びつける著作はほとんどないとのこと。 とても興味深く読ませていただきました。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
期待が大きすぎたか・・・,
By ぽけっと (東京都大田区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「クラシック音楽」はいつ終わったのか?―音楽史における第一次世界大戦の前後 (レクチャー第一次世界大戦を考える) (単行本)
『西洋音楽史』や『オペラの運命』がすごくおもしろかった著者が、第一次大戦の音楽史上の意義を考察するという垂涎もののテーマに取り組んだとあっては、いやが上にも期待は高まる。「現代音楽は一次大戦後から始まる」というテーゼには、深く 納得させられる。だが、音楽作品に見られる、ある意味破壊的な変化が一次大戦の影響だったという論証が、弱い。文献資料 がほとんどないのだと著者は言う。そうなのだろう。しかし、であればこそ、音楽以外の芸術や社会生活に関する記述を多数 利用して、傍証を積み重ねていき、説得力を付与することが必要なのではないか。残念ながら、そのような作業がほとんど なされていない。着眼と展望が秀逸だけに、また、期待が非常に大きかっただけに、残念だ。あえて辛口の評価にする。この 路線で、より実証的な作品を期待したい。
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