2人に1人が「自分は人並みの能力はない」と言い、
3人に1人が「孤独感を感じる」と言う。
5人に3人が「自分はダメな人間だ」と思っていて、
5人に4人が何だか疲れている。
そして、5人に3人が「自分が参加しても社会は変わらない」と言う。
これが、世界第2位を誇る経済大国日本の、明日を担う高校生たちの現状です。(「はじめに」より)
■「何とかしなきゃ!」
立ち上がった2人の女性と共感して集まった人々。
教育現場に一石を投じた ゼロ年代起業家の熱き10年ヒストリー
(話し手)
今村久美(いまむら・くみ)
1980年岐阜県生まれ。02年慶應義塾大学環境情報学部卒業。
大学卒業と同時にカタリバの活動をはじめ、06年に特定非営利活動法人NPOカタリバを設立。代表理事に就任。「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2009」受賞。
竹野優花(たけの・ゆか)
1977年三重県生まれ。02年 明治大学文学部卒業。
ベンチャー企業への就職を経て、今村とともにカタリバを設立、主に学校への渉外を担当する。NPO化と同時に副代表に就任。
特定非営利活動(NPO)法人・カタリバ
2001年に活動を開始、06年にNPO法人格を取得。高校生に向けた独自のキャリア教育プログラムをこれまで延べ約280校・約7万人に対して実施。
主な活動スタッフは学生を中心としたボランティアが担い、現在では年間延べ4000人以上の参加者を数える。2009年内閣府「チャレンジ賞」受賞。
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最も参考になったカスタマーレビュー
11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
★「高校生が進路を考える機会格差を解消するための、志と勇気ある活動の記録」,
By Toshi " U" (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「カタリバ」という授業――社会起業家と学生が生み出す “つながりづくり”の場としくみ (単行本(ソフトカバー))
自分が高校生の頃に「カタリバ」という場に出会えたら良かったなあ、と思った。そのような場に出会えた高校生たちが、羨ましいと思った。 「もっとよく考えて進路を考えれば良かった」と思う自分がいるからだ。 僕は、何となく選んで大学に入り、何となく職業を選んで就職してしまった一人だ。 この本には、高校生たちに、進路を考える「機会」「場」を与えているNPO法人カタリバの活動が詳しく記されている。 実現が難しいことにも、諦めず、試行錯誤しながら粘り強く続ける「志」と「試み」を持つ人たちがいることに、励まされ、勇気付けられた。 高校生と、高校生に近い若者たちとの「ナナメ」の関係。 彼らのモチベーションは「お金」という報酬ではない。 高校生が変化する瞬間の喜び、やりがい、そして自分自身の変化だと思う。 本書から心に響いた言葉を抜き出してみたい。 稚拙なレビューを書くより、本書の良さを感じてもらえると思うからだ。 ・コミュニケーションという偶発的な要素を扱いつつ、落とし所を考え、それに向けて関係性をデザインしていく ・ごくふつうの高校生に学ぶ意味や生きる目的を考えさせ、心のどこかに”火を点ける” ・1人の100歩より、100人の一歩 ・「憧れをもつ」ことの機会格差解消を仕事にしたい ・過去の自分に対して言ってあげたいことを、目の前の高校生に託しているんです ・今の世の中で求められているのは、他者のモノサシを尊重した上で、自分のモノサシを設定して納得できる人生を歩んでいくこと、 ・何とかしなきゃいけない、というおせっかいや勝手な正義感が実はとても重要なんだ、 ・「他人のために」という行動がやがて自分に跳ね返ってくるという感覚を(カタリバに参加する)大学生たちは持つことになる ・人生はなんとかなるし、なんとかするもの ・自分が本当にやりたいことを探して、見つけたらそれを突き詰める。自分で出した答えは続けられる。 ・私の目標は、カタリバが必要なくなること などなど。 カタリバを主催する、今村さん、竹野さん、稲葉さん、他、この活動に関わる人すべての志、努力、情熱に感動を覚え、心から敬服の念を持った。 そして、彼ら・彼女たちの活動を、様々な視点で、深く掘り下げて一冊の本にした上坂徹氏の筆力もすばらしいと思った。 下手をすると薄っぺらい記述になってしまう恐れのあるものを、見事に書き切っているからだ。 彼らの活動をはばむ障害はまだまだ沢山あると思う。 ・学校という組織、・NPO法人に対する社会の無理解、誤解、など。 本書が多くの人に読まれ、彼らの活動を後押しする力になって欲しいと思う。 (追記) 社会人向けの研修、ワークショップを行う者として、 場の設定、ファシリテーションをするための多くの学びを本書から貰うことが出来た。
15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
教育の原点回帰、そして新しい社会を育てる重要な取り組み,
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レビュー対象商品: 「カタリバ」という授業――社会起業家と学生が生み出す “つながりづくり”の場としくみ (単行本(ソフトカバー))
素晴らしい活動。そして新しい取り組みでありながらも、アプローチはシンプルで泥臭いリアルコミュニケーション。カタリバの活動には、教育の原点への回帰を感じる。バーチャルコミュニケーションでは時間と空間を超えるメリットはあるものの、一方では匿名性という殻を利用して、自分を理解してくれる人とのみつながることを選択できるが、カタリバはそれとは対極にある。高校生という感受性が高く、大人になる手前、社会にでる前の大切な人間形成時期に、カタリバのような場に接することは、どれほど有意義なことだろう。 日本は経済的には成長をとげ、先進国に入っているつもりかもしれないが、最近では社会システム、政治、経済、人、すべてにおいて脆弱性が露呈されてきた。政治や不況のせいと一言でいうのはたやすいが、そのような脆弱で画一的な価値観しかもてない国になった根底には、人間形成としての教育基盤(学校および家庭の両方)の弱さにあると考える。 モノやカネで幸福度をはかる、社会通念が定めた目標をめざす(自分ではなく他者のモノサシではかる)、人と比べることで相対的優越感をもつ、自分や他人にラベルを張って個性や可能性を尊重しない等、陳腐な価値観の社会は崩壊しつつある。 本来、学校や家庭教育が変わることが必要と思えるが、それを変えることにカタリバは大きく貢献していると思った。彼らは高校生をターゲットにスタートしているが、これは中学生、小学生、さらには幼児、そして教育のあり方について本質的な問題提起とソリューションを提供する可能性を含んでいる。 また、これからグローバル化がすすみ、また人口減少に伴う労働人口の減少によって、外国人労働者の受け入れも進むだろう。大人は、今とはまったく異なる社会環境をむかえる子供たちに、昔はよかったとか語りかけるのではなく、次の世代のための基盤づくり、サポートをしなければならない。 個を尊重し、多様性を受け入れる力、自ら考え答えを出す力、そして自ら人生の目標を設定し自分らしく生きる道を考え実行する力、それらがとても重要になってくる。これはいまの学校教育や塾では学びにくい。 一人の人間としてアイデンティティを確立し、お互いに関心をもつこと、それを学ぶ過程では、意見の衝突や傷つくこともあるだろう。苦い思いをしながら、お互いを認め、コミュニケーション能力も高まってくる。カタリバで重要なのは、それを異なる世代の大学生がファシリテーションしていることである。現在は大学生と高校生という世代が隣同士の近い関係だが、このようなコミュニケーションをこなすことで、だんだんと離れた世代間のコミュニケーション能力も高める準備になるだろう。 カタリバの推進者は、組織マネジメント、ビジネスモデルについてもしっかりした考え方をもっている。この活動が持続的に続き、新しい日本を築く基盤づくりに大きく貢献できることを願う。 本書からはビジネスマンとしても多くのヒントをもらうことができた。 老若男女問わず、多くの方に読んでもらいたい。
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本の若者に未来を切り開く力を感じさせる,
By けい - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「カタリバ」という授業――社会起業家と学生が生み出す “つながりづくり”の場としくみ (単行本(ソフトカバー))
読後感として、率直に、自分もまだ大学生だったら是非「カタリ場」に出て、高校生と語り合いたいと思った。カリスマ的な一部のエリートではなく、このカタリバを築いた方々の素直な姿勢が等身大の姿として描かれているように感じられるもので、NPOを立ち上げてることが非常に身近に感じられる。一方で、いくつもの困難にもめげずに自分たちのミッションを何としてでも成し遂げるという熱い想いや芯の強さがヒシヒシと感じられるものだった。 この「カタリバ」は、ティーチ・フォー・アメリカの日本版組織のようなものかとも感じたが、日本独自の社会的な問題を解決するためにつくられた組織であると感じた。ありそうで現実世界ではほとんど存在しない「ナナメの関係」、これをフルに活用することで、高校生・大学生に始まり、社会人にまで、心に火を点けてくれる非常に重要なミッションを担う組織だった。 私も人材育成の世界にいるが、たった2時間でここまで相手の眼の色を変えられる“場”を創り出せる価値は、今の日本にとって本当に大きいと思う。カタリバの取り組みに非常に共感を持ち、是非応援したくなるものであった。 また、読み手にとっては、NPOを立ち上げる際の留意点・難所に対する解決策等を示唆する内容になっている。NPOにとっては社会的問題を解決しながら、一方でなかなか両立しにくい収益化にあたって、どのように向き合うべきか?を考えさせてくれる。収益が上がるからといってコアドメインを強化することにならないことからは撤退する(あるいは手を出さない)という戦略の取り方、また、顕在化された分かりやすいニーズにダイレクトに応えるのではなく、裏に隠された本質的なニーズに応えることによって根本的な問題解決に繋がり、かつそれが顕在化されたニーズをも解決することになるというマーケティング戦略の考え方など、NPOだけでなくとも民間企業人にとっても参考となるものである。 書籍の裏表紙に、このカタリバの中心メンバーの皆さんの写真が掲載されているが、とても明るい素敵な眩しいくらいの清々しい笑顔である。ここから将来の明るい日本が創出されることを願いたい。
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