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「わからない」から出発して、どのようにわかっていくかを、自分の体験を例に挙げて説明しています。その例が、セーターの編み方だったり、枕草子の現代語訳だったりして、かなりユニークなので、直接には役立たないかもしれないけど、示唆に富んでいます。特に、「一人で地を這う」という言葉に勇気付けられます。
世の中はわからないことだらけで、あることについて勉強すればするほど、さらに知りたいことが増える始末。一生勉強しなきゃならないのかと思えばウンザリするけど、一生退屈しないだけのネタがあると思えば少しは楽になります。
ひとつのことがわかると、すべてがわかった気になる人や、昔はわからなかったことを忘れて、「なんでそんなこと??わからないの」と言える人がうらやましかったけど、そんな人の天下だった20世紀は終わって、21世紀は「わからない」の時代だと言うのだから心強い。
「一人で地を這う」というのは、「地図をなくしたから、磁石だけを頼りにひたすらトンネルを掘り続ける」ことです。どうせ自分はバカだからと居直って、「ひたすらの持久力だけで問題を解決する方法」です。この方法を「桃尻語訳枕草子」を例に説明した部分が面白かったので、その本を読んでみたくなりました。
筆者の文体は独特で、多くの人にはくどい!と思われる物です。でもそのくどさは、筆者が”分からない”状態を出発点に調べ、書いた物であるので必然的なものだそうです。
会社においても学校においても、私達は多くのことに対して”分かる”すなわち”理解する”事を求められています。ところが、どう分かればよいのか全く分からない場合が多い事も事実です。それは、何をどう分かれば良いのかすら分からないからだといいます。そんな時には、手当たり次第に何でもやってみれば方向性が見えてくるとも言います。分かるためには、この方向性の把握が肝心と言い切っています。
また、”分かる”の過程において頭を重要視しすぎると、それは単に暗記になると言っています。体を使って体に染み込ませたものが本当に”分かった”事なんだと。だから、上っ面で勉強するのではなく、腰を据えて本気でこつこつやらなければならないと。
勉強することの真髄を見せる、大変優れた一冊です。
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