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最も参考になったカスタマーレビュー
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
にじり寄り!!! にじり寄り!!!,
By 金子市 (東京) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「もののけ姫」はこうして生まれた。 (単行本)
私が『もののけ姫』を観たのは中学生の頃(もちろん公開時に――三回も!!!)で、とても面白い映画だと思ったのと同時に、スタジオ・ジブリのホームページ上に連載されていた日記を読んで、ああジブリってのは何て楽しそうな職場なんだろう、絵を描く能力があれば自分もここで働いてみたいなどと安易に夢見ていたのですか、この本を読んでみると、幻想が崩れたとまではいわないまでも、(アニメーション)映画を作ることのあまりの過酷さ、宮崎監督の恐ろしさ――生まれついての性格などではなくて、映画を作ることに付随する宿命的な凶暴性が顔をのぞかせるだけだと思いますが――がこちらにこれでもかというくらい伝わってきて、ああやっぱり楽な仕事ってのはないんだなあと、非常にまっとうな結論を得て読み終わったのですが、もちろんこれはそんな説教臭い目的のために書かれた書物などではなく、あの『もののけ姫』がいかにして作られたかを追ったドキュメンタリーであり、――それにしては作者の浦谷さんの意見が表に出すぎているのではないかと思いもするけれども――映画を作る過程での貴重な出来事が本の中で次々と起こってゆくのは、読んでいて爽快感さえ覚えるほどで、始めたら一気に読了してしまうことは請け合いで、そして何よりも圧巻なのは387頁から始まる宮崎監督と美輪明宏さんとの――あるところは深く、またあるところは非常に卑俗な――犬神モロの母性、サンや乙事主に対する憐憫、乙事主との過去の関係がほのめかされるやりとりで、ここを読むだけでもこの本を買う価値はあると断言します。でも読み終わった後の感想は、宮崎駿は恐い人である事が分かった、ということになるでしょうか。
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