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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
人は古来「はかなさ」と共にあり…,
By thinkfuture (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「はかなさ」と日本人―「無常」の日本精神史 (平凡社新書) (新書)
8人に1人が鬱病だと言われている現代、著者が、古典から現代文学までを紐解き解体してみせる、 日本人のさまざまな「はかなさ」の構図は、 「はかなさ」を恐るるなかれ、というメッセージにも見え、 それ以上に、はかない夢に没したまま生き切る事も出来てしまうのだ、 という人間の能力としての「はかなさ」を通じて、 生きることの本当の意味を問い直す機会を与えてくれているように 感じました。 (新書のボリュームでは、語り切れない部分もあるようで、 そこが残念です。)
19 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「はかなさ」を観じた人は何処へ。,
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レビュー対象商品: 「はかなさ」と日本人―「無常」の日本精神史 (平凡社新書) (新書)
足を取られて、引きずり込まれてしまう生の泥沼。虚しさ、何の意味もない、怖い、逃げられない、苦痛しか残らない。生死の交点をもがき歩むしかない道。本書は、そんな差し迫った生に喘ぐ人への処方箋ではありません。ここでの「はかなさ」は、生の泥沼の縁に立って、少し余裕をもって観ている気分です。「はかなさ」を世に感じ、そこから自分で他所へ動く余力が未だある人の話です。そんな「はかなさ」を考える手だてとして、著者は唐木順三に習います。過去の文芸作品を通観し、昔の人の考え方を学ぶ方法です。著者は、この世を「はかない」とか「夢」と感じた人が、何処に移ろうとしたかで、○夢の外へ。○夢の内へ。○夢と現のあわいへ。という3つの図式に分けます。過去の作品を読み解き、この図式に当て嵌めていこうという作業が前半の中心です。 近代以後、「はかなさ」は美的の感情よりも、自我の卑小さを意識する自我論的志向が強くなるようです。その自我が、どう救われるのか主題となり、今・ここにいる自分は、ここの一隅にいるに過ぎないが、そこで絶対と繋がり、鮮烈な輝きを持っという実存的な救いが示されます。もう一方で、この世は「はかない」が、その「はかない」ものも、「ある」ことは「ある」のだという大乗仏教的な考えも示されています。さらに自分の唯一性、孤独、「はかなさ」をそのまま徹底した所で、落ち着きが得られるという考え方も示されます。「鬼塚」で乱れ騒いだ鬼女が最後に寂寞とした山となります。問題は、そこが落ち着き先かです。山は輪廻の外に脱けられたのか、あるいは同じ狂おしい輪の中の一つに過ぎないのではないか。それは、「はかなさ」を観じ、何処かへ動こうという己の動きだけで、前後裁断が出来るのかという古典的な問いになると思います。
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