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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
辻邦生ファンにはたまらない,
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レビュー対象商品: 「たえず書く人」辻邦生と暮らして (単行本)
辻邦生の全集の月報に連載された、奥様で中世美術研究者の辻佐保子による思い出をまとめたもの。高校の時に『背教者ユリアヌス』に出会って以来、辻邦生の小説はおそらく全部読んでいるし、その他もかなり読んでいる。いわば、私にとっても人生をともに過ごした(と勝手に思っている)作家の思い出は、深い思い入れなしには読むことが出来なかった。特に前半に取り上げられている小説は、タイトルと登場人物、象徴的な場面に言及される度に、小説全体の雰囲気と読んだ時の気分まで思い出してしまって、なつかしい気持ちで満たされた。ああ、ゆっくり読み返したい。全集が出たことは知っていたのだが、全20巻という大部に恐れをなしたのと、どうせ買っても今は読む時間もないと買わずにあきらめていた。本書を読んで、買っておけば良かったとちょっと後悔してます。インターネットで古書の流通も良くなっているし、老後の楽しみリストでも作って、一番に赤丸をつけておくことにしましょう。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
全集所収作品が生れたモチーフ、背景、エピソード、文学的意義など,
By tomo1943 (茨城県つくば市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「たえず書く人」辻邦生と暮らして (単行本)
辻邦生全集20巻の月報を元にまとめられた20章。佐保子夫人による辻作品の解説。該当巻所収の作品の客観的な内容紹介はほとんど期待しない方が良く、その作品が生まれたモチーフ、背景、エピソード、文学的意義などがちりばめられている。そのうちでも身近にいた夫人でないと分からない事柄が結構多くて、この本の特徴となっている。夫人の邦生への思いも率直に書かれていて、うっかりすると、邦生の気持ちと夫人のそれとが区別できないような記述も再三見られるほどだが、それは二人の緊密度の強さを示すのかも知れない。 したがって、新たにこれから辻作品を読もうとする人にもそれなりに理解のいとぐちを与えてくれるだろうけれど、主な作品をすでに読んだ人に一層インフォーマティブな書きぶりとなっている。つまり、辻邦生ファンなら、いたるところで作品の場面や記述を思い浮かべつつあちらこちらで心の高まりを覚えずにいられないだろう。
13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ソウルメイトの愛を感じ取れますよ,
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レビュー対象商品: 「たえず書く人」辻邦生と暮らして (単行本)
辻邦生は「美や愛、生と永遠のすばらしさを生涯書き続けた小説家」(帯より)です。学生時代から邦夫氏の人生を支えながら、自らの道も歩まれてきた佐保子さんが、邦夫氏の没後、ようやくひとりの小説家としての人生を同志の目で語りかけてくれた作品です。 夫人としてではなく、最も邦夫氏の身近にいた我々読者の代表として、彼の作品を愛を込めて語っています。 邦夫氏が学生時代に婚約の決まっていた佐保子さんに恋をして、ついに佐保子さんの心を射止めたことはほほえましいエピソードとして有名ですが、この本の中に流れている佐保子さんからの「love you」の想いこそが、邦夫氏の求めていた美と愛であろう、と思います。 ユリアヌス、サンドロ、フーシェ、西行・・・邦夫氏の没後10年を経て、彼の描こうとしていた人間らしい美と愛が、佐保子さんの中で成熟し、しっとりと花咲いたのでしょう。 理想的な夫婦の魂のつながりが醸し出す愛のエネルギーが、インクの香りのように心地よく感じられる秀作です。
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